幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある。
森田幸江
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くすりと笑えるシーンが多くて、ほのぼのした気持ちにももちろんなれるんだけど、どこか毒がある。暴力的な亭主、という設定の時点で、もう、ちょっと毒が見え隠れしている。暴力的なんだけどちゃんと嫁にたいして特別な感情はもっているというのがよい。これを見ていると、ちゃぶ台返しを一度ぐらい、してみたくなる。ちゃぶ台を返されないように、固定してみたりして対抗する妻がかわいい。大家さんのキャラクターも好きだ。音楽(EDテーマ)は安藤裕子。ふわふわした声と切ないメロディー、安藤裕子にしては意味のわかりやすい歌詞が映画の雰囲気にぴったりあっていると思った。
中谷美紀の「あんたー」と叫ぶシーンと、阿部寛のちゃぶ台返しがお決まりの「オチ」のように段々楽しくなってきます。まだ夫婦ではないけれど、夫婦のような2人の部屋のとなりに住む怪しいカルーセル麻紀や、ラーメン屋の店長、中谷美紀のお父さん役などなど脇役も名脇役ばかりで、面白い。学生時代の悲しい出来事、貧乏でブスでと、とても自虐的な回想シーンだけど親友ができるまでの、感動なのだが笑えてしまうストーリーもいい味が出ています。親友の森田さんと大人になって再会する時は、ツボです。2度見してしまいました。西陽が部屋に入ってきたシーンで「あー貧乏くせぇ」というシーンがあるのですが、これを見てから、西陽がよく差す部屋は選ばなくなりました(笑)
予告編を拝見したときから、かなり楽しみにしていた作品でした。ただ、期待が大きかっただけに少々ストーリー展開に面白みが掛けた気がします。阿部ひろしさん演じるイサオみたいなタイプの男性って、あまり今どきみない感じの“亭主関白”“自分勝手”な人だなーと思いました。ちゃぶ台返しって、実写版で始めて見ました!この映画で一番の見所シーンです。 そんなイサオを献身的に、ひたむきに支える妻幸江を演じた中谷美紀さんの演技は圧巻です! あんな美人なのに、完全なる幸薄感が出てました! さすが女優さんです!後半、自分勝手なイサオの優しさが沢山垣間見る事が出来、言葉には出さないけれど、伝わる夫婦愛には感動しました涙。 ただ、結構間延びするというか、テンポの歯切れが悪い印象もあり、残念。 少々見ていて退屈になるかもしれません。
よみがな:もりたゆきえ
森田幸江
貧乏でブスで誰からも相手にされない幸恵は人並みの幸せを求めて、中学卒業後に上京し売春婦となるが、葉山イサオという男と出会い、安アパートで同棲し、定食屋で働き始める。ただ、イサオは無職でパチンコ好きで、嫌なことがあるとちゃぶ台をひっくり返すというどうしようもない男だった。しかし、貧乏ながらも二人は愛し合い、そして子供ができる。幸恵は人生を振り返り、こう考える。