彼女は本当の居場所を見つけた
山田宗樹の原作を中島哲也監督が映画実写化。 中西哲也監督は『下妻物語』や『パコと魔法の絵本』で知られ、どの作品も極彩色を使った印象的なイメージがあります。 そんな本作はまさにミュージカルを上手く取り入れた作品となっている。 あくまで主人公の松子は不運な人生を送っているが、当人は前向きに明るく生きていく。 難しい役である松子を中谷美紀が演じ、基本的に出演者を怒鳴り散らす中島哲也監督の演出に最後まで耐えました。 そのおかげで松子というキャラクターを生き生きとさせ、不幸な人生ながらも、それを微塵にも感じさせない明るさは作品の色とシンクロしていました。 どんな事があっても強く生きる松子だけど、終盤で見せた姿はさすがに心が痛かった。 しかし、もう一度輝きを取り戻そうと立ち上がった矢先の出来事は衝撃的でした。 他人から見たら不本意な最期に感じるだろうけど、松子自身はようやく自分が帰るべき場所に帰った時の表情は今でも忘れない。 アクが非常に強い演出なので、好き嫌いがあるかもしれませんが、一見の価値ある作品だと思います。
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