お茶漬の味のあらすじ・作品解説
お茶漬けの味は、1952年に公開された日本映画である。監督は、「東京物語」「麦秋」の小津安二郎。出演者は、佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、笠智衆、淡島千景。 遊び好きの佐竹妙子は質素で真面目な夫、茂吉と暮らしている。 ある日、妙子は、友人の雨宮アヤと旅行に行くための口実として、姪の節子が病気ということにする。しかし、夫にその話をしている時に、運悪く節子が元気にやって来てしまうのだった。 それでも、今度は他の人が病気ということにして、ケロッと旅行に行く妙子。そんな妙子に何も言わない夫。妙子は旅先で友人達と、夫のことを「鈍感さん」と噂して笑っているのだった。 ある日、妙子は姪の節子に見合いをするように勧めるが、見合いをしたくない節子に、私なら結婚しても人前で夫のことを鈍感さんなんて言わない、叔母様のような見合い結婚はしたくないと言われてしまうのだった。 その後、ある事で夫と喧嘩になり、妙子は家を出てしまう。 夫のことを粗末に扱っていた妻が、夫の大切さと本質に気付くまでを描いた作品である。
お茶漬の味の評価
お茶漬の味の感想
小津監督が描く、子供のいない夫婦の物語
1950年代は「子は鎹(かすがい)」といわれる時代ではあるが、現代の社会では子供のいない夫婦は珍しくない。単調な生活をしている子供の無い中流階級の中年夫婦が、その当たり前の生活に危機が訪れてしまうというストーリー。今の時代にも、いやむしろ今の時代だからこそ考えさせられるドラマのテーマではないでしょうか。夫の佐分利信と妻の木暮実千代との掛け合いが、全くチグハグな感じを出しているのが見どころです。小津組の撮影:厚田雄春、音楽:斎藤一郎のサポートぶりと共演者の笠智衆、三宅邦子、淡島千景などの常連の演技にも支えられて、小品ばがらも見どころのある作品になっています。
占領下の日本で検閲を通った作品
小津安二郎監督の1952年の日本映画。製作は松竹大船撮影所。英語題名は「Flavor of Green Tea Over Rice」 アメリカの占領軍が全てを監視して、GHQがこの内容を検閲して、やっとのことで完成した作品。当時の日本の様子がわかる貴重な映画だ、イソップの町のねずみと田舎のねずみの話の日本版。質素な田舎出の旦那と、華やかな都会生まれの妻、質素な生活がつまらない、華美な妻が鼻につく。今ならすぐに離婚だが、当時はまだ話し合いや、コミニュケーションと言う技が使える人々がいた時代である。夫婦喧嘩をした二人結婚生活とは、エキサイティングな生活ではなく、単調な中に味わいを見つけるのだと言うめでたしめでたしのお話。見ると許可された英語のタイトルが、占領軍の存在を我々に教えてくれる。
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