真実の行方のあらすじ・作品解説
『真実の行方』は、『オーロラの彼方へ』等で著名なグレゴリー・ホブリットが1996年に監督した作品。 130万部のベストセラーを記録した1993年のウィリアム・ディールの同名小説の映画化である。 冬のシカゴが舞台。ある日大司教殺害の容疑で聖歌隊所属の青年アーロンが逮捕された。敏腕弁護士のマーティンは名声を得るため、彼の弁護を無償で名乗り出る。しかし殺害時の記憶を失っているアーロンの弁護は容易ではなく…という法廷サスペンス映画。 リチャード・ギア、エドワード・ノートン共演。製作には、マーティン・スコセッシ映画を多く手掛けたマイケル・チャップマンが参加した。 エドワード・ノートンは本作のオーディションで2000人以上の中からアーロン役に抜擢されて映画デビューした。また、この演技で第69回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたが、『ザ・エージェント』のキューバ・グッディング・ジュニアが勝ち取った。
真実の行方の評価
真実の行方の感想
エドワード・ノートンでなければ成功しなかった映画
エドワードノートンの怪演はここから始まったこの映画において特筆すべきはやはりエドワードノートンの演技だろう。エドワードノートンは役者としては少し長い下積み時代を経験しており、サラリーマンやほかの仕事をしていたり(ちなみに大阪で祖父の仕事を手伝っていた経験もあり、以前は日本語も少し話せた)、劇団で舞台にたっていた数年を経て今作のオーディションに合格し、スクリーンデビューを果たした。私はこれほどまでに鮮烈にスクリーンデビューを飾った俳優を多くは知らない。この映画の脚本において一番重要なポイントは、主人公の二重人格である。しかもただの二重人格ではない。普通の二重人格を演じる俳優は、一人の人間でいかに違うキャラクターを演じるかというところに終始すればよい。しかしこの作品で重要なのは、アーロン(ノートンの表の人格)とロイ(ノートンの裏の人格)という二つの人格を表現した後、最終的には表の人格など存...この感想を読む