ナイト・オン・ザ・プラネットの評価
ナイト・オン・ザ・プラネットの感想
独特の世界観。そして夜から夜明けへ。
監督特有の映像の美しさこの作品は短いショートストーリーがまとまった作品となっています。どの作品もストーリーそのものの繋がりはないですが、全ての作品が一夜のうちに起こっていることとして描かれています。夜が話の舞台。そのため、画面は暗いことが多いですが、それもまたこの監督の良さとして受け止められます。あまり気取った映画ではないのに、どこか古くて、でも懐かしくて、受け入れやすい作品だと思います。登場人物のキャラクターの濃さパッケージにも映されているウィノナ・ライダーがとにかく美しい!見た目だけではなく、その役どころもまた美しくかっこいいんです。観た人にしかわからない良さがありますよね。作品の最後に入っているストーリーに出てくる人々も又、魅力的です。その辺にいるような人々で親近感を覚えるのに、作品を見ているとハッとさせられるようなところがある。それがこの作品に出てくる登場人物のキャラクターの濃...この感想を読む
愛おしい人間の5つの物語。
世界の5つの都市を舞台に、タクシードライバーとお客を主人公に、人生の「さまざま」を描く。映画のはじまりは、トム・ウェイツの渋いしゃがれ声から。運転手もお客も、どちらもクセ者。富める者、低所得者、移民、黒人、権力者、障がい者、聖職者、酔っ払い、悲しい過去を持った男。タクシーに乗車した、ほんのわずかの時間に、それそれの都市で生きる人たちの人生が描き出される。そのエピソードに、クスッと笑ったり、めんどくさ!と思ったり。最近の日本を見ていると、特に若い人たちは同じような顔で、ヘアスタイル、ファッションもみんなよく似た格好の人たちでふれている。でも、人は誰も同じではないのだから、それぞれの考えやスタイルを持っていいと思うし、それが許される社会であってほしいと思うのだ。そんな意味でこの映画は、みんなそれそれ、一生懸命に自分の人生を「決して流されることなく」生きている。過酷な運命を背負わされた人も、...この感想を読む
色んな国の夜のタクシー
ロス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの夜の街を走る、タクシーの運転手とその乗客の会話に重点を置いたオムニバス映画。タクシーの運転手と乗客の会話がメインという、地味な構成の映画ですが、キャストはとても豪華で、各国を代表する名優たちが母国語で出演。そんな名優たちが「こんなタクシーの運転手嫌だ!」「こんなタクシーの乗客嫌だ!」と言いたくなるユニークな役どころを演じています。ニューヨークの、東ドイツから来て英語も殆ど分からない、オートマ車もろくに運転できない運転手と乗客が交代する話は特に好きです。その国その国の特徴をとてもユニークに描いてあると思います。歴史に残る名作です。