愛おしい人間の5つの物語。
世界の5つの都市を舞台に、タクシードライバーとお客を主人公に、人生の「さまざま」を描く。 映画のはじまりは、トム・ウェイツの渋いしゃがれ声から。 運転手もお客も、どちらもクセ者。 富める者、低所得者、移民、黒人、権力者、障がい者、 聖職者、酔っ払い、悲しい過去を持った男。 タクシーに乗車した、ほんのわずかの時間に、 それそれの都市で生きる人たちの人生が描き出される。 そのエピソードに、クスッと笑ったり、めんどくさ!と思ったり。 最近の日本を見ていると、特に若い人たちは同じような顔で、 ヘアスタイル、ファッションもみんなよく似た格好の人たちでふれている。 でも、人は誰も同じではないのだから、それぞれの考えやスタイルを持っていいと思うし、 それが許される社会であってほしいと思うのだ。 そんな意味でこの映画は、みんなそれそれ、一生懸命に 自分の人生を「決して流されることなく」生きている。 過酷な運命を背負わされた人も、夢に向かっている若者も。 エンディングでも流れるトム・ウェイツの歌を聞いていると、 とてもあたたかい気持ちになる。 人間って、ダメな生き物だったりするけど、同時に愛おしいものであったりする。
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