ウディ・アレンの描く「イタリア的生き方」
逆境を創作の刺激に変え、なお活躍するウディ・アレン御年80歳を越えてなお、年に1本の作品を発表し続ける驚くべき巨匠ウディ・アレ ンですが、アメリカで映画を撮り続けることが叶わなくなり、ヨーロッパに舞台を移したのが2005年のこと。以来、「人生万歳!」のニューヨークと「ブルージャスミン」のサンフランシスコでアメリカを舞台にした作品を除いては、彼の映画はヨーロッパで撮影されるようになりました。この流れはやはり「赤ひげ」以降、ハリウッドやロシアに手を差し伸べてもらって作品をつないだ黒澤明監督のことを想起させます。映画という総合芸術は、古典に関してはいかにも芸術とありがたがるのに、一部のヨーロッパ映画を除いては、新作に関してはそのようなリスペクトはなかなか得られず、あくまでエンター テインメントとしてピンからキリまで全部同じ土俵に並びます。それはそれで清々しいことではあるのかもしれませんが、他の芸術分...この感想を読む
4.84.8
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