過ぎ去りし日々の光のあらすじ・作品解説
過ぎ去りし日々の光はアーサー・C・クラークとスティーブン・バクスターによるSF小説。 2033年、巨大な彗星が500年後に地球に衝突するとの研究が報告される。地球滅亡の時期が判明したことで、人類は環境保全など未来への希望と関心を失うようになった。ちょうどその頃、ワームホールを使ってあらゆる場所を瞬時に観察できる現象が発見される。そしてこのワームホールをコントロールし、カメラのようにワームホールで見えた映像を記録するカメラ、ワームカムがある企業によって開発・販売されるようになった。 ワームカムはすぐに改良が施され、これまで今起こっている現象しか見えなかったものが、過去のあらゆる現象を観察可能となった。さらにワームカムの量産化によって多くの人々があらゆる過去を自由に調査できるようになる。彗星によって滅亡する地球に希望を失った人々は、ワームカムを使って過去を調べつくしていくのだった。そしてその探究は、人類の歴史を次々と明らかにしていく。
過ぎ去りし日々の光の評価
過ぎ去りし日々の光の感想
隠れた名作
これはスティーブン・バクスターとアーサー・c・クラークの共著なのですが、二人の良さがうまく融合された作品だと思います。そして、なんにせよ内容が素晴らしい。「2001年宇宙の旅」や「幼年期の終わり」のような派手さがないのでいまいち知られていない作品ですが、現代人が読むべき良作と言えます。究極のネットワークの未来とそれに伴う人間の反応、変容の課程、更には時空までを制す様になる人類のテクノロジー。クラーク作品に一貫して流れる人類の超進化や、バクスターらしい緻密な科学描写がうまく融合されています。上巻という事で肝となるテクノロジーの発見にあたる当たりまで描かれています。