記憶につながる料理 - それからはスープのことばかり考えて暮らしたの感想

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小説レビュー数 3,368件

それからはスープのことばかり考えて暮らした

4.334.33
文章力
4.67
ストーリー
4.00
キャラクター
4.67
設定
4.50
演出
4.83
感想数
3
読んだ人
3

記憶につながる料理

4.54.5
文章力
5.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
4.5

誰にでも、記憶に残る料理というものを持っているだろう。 あの人と食べたあの料理、あの日にこれを食べた、そんな風に思い出の中にある料理や、これを食べるとあのことを思い出す、この料理を見るとあの人を思い出す、そんな風に料理から思い出や人の姿を蘇らせることもある。 この作品は、そんな料理にまつわるエピソードを中心に作られた小説だ。 主人公のオーリィ君と彼を取り巻く人々、そして、食べ物。 オーリィ君はどうやらもともと食べることや食べ物に関心を持っていたようなのだが、ある日ふとしたきっかけで、『名前のないスープ』に魅せられてしまう。 オーリィ君はそのスープを自分の手で再現しようと必死になるのだが――。 食べ物に関する作品は、どれだけ読み手のお腹を空かせてくれるか、どれだけ読み手の食欲を刺激してくれるか、という楽しみがあるが、この小説は、料理の味や匂いではなく、それを取り巻く人々の雰囲気で、食欲を刺激してくれる。 思わず、自分の家の周りにもそんなお店がないか、探しに出かけたくなる話だ。

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他のレビュアーの感想・評価

本当にずっと、スープのことばかり。

書店で見つけてタイトル買いしたくなる立ち寄った書店でふらふらしていたら、この本を見つけて思わず買ってしまった。タイトルの「それからスープのことばかり考えて暮らした」という言葉のくすぐったさが心地良くて嬉しくなったから。実際、この本は休日の喫茶店でのんびり読むのにはうってつけの本だった。主人公の若い青年オーリィが出会う人々と、古い小さな映画館とサンドイッチとスープのお話。オーリィの目線から見る街の情景は、オーリィののんびりして優しい内面から映し出されているからすべてがほんのり温かい。毎日仕事で急かされているとこういうものが見えなくなってくるから、本を通じて思い出させてくれるのはありがたいと思う。オーリィが古い映画館で何回も見たはずの映画を見ていると、隣の女性からスープのにおいがしてくる。彼はポップコーンを食べているけれど、ひどくお腹がすいてくる。それから彼はスープのことばかり考え始める。...この感想を読む

4.04.0
  • たにみずたにみず
  • 242view
  • 1187文字
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