拳銃は、生き物を殺すための道具だと改めて理解する
これから起こる状況を楽しんでしまった「物語の中に拳銃が出てきたのならば、その銃は撃たれなければいけない」というのを、なにかで読んだことを記憶している。この小説もまた銃を拾うことから始まり、いずれその銃は撃たれなければならないという予感と緊張感を持ちながら物語は進んでいる。中学生のときの社会の授業が、教科書をひたすら出席番号順に句読点読みするだけを繰り返すので、とにかく退屈だったことを思い出す。なにかこの退屈な授業が中断されるような、台風で学校の一部がふっとんでしまうとか、SPIが突然現れてなにか宇宙人とか大きな敵と戦い始めるとかありもしないことを妄想してすごした。本当にそんなことが起こって欲しいわけではないけれど、そんな想像をしている時間は楽しく、退屈な時間がいくらかやわらいだ。この主人公は、わたしのそんな社会の授業中の過ごし方を日常的におこなってしまっているのだろうと感じた。なぜこの狂気...この感想を読む
3.53.5
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