すべてのキャラの生き様が輝いている1冊 - 精霊の守り人の感想

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小説レビュー数 3,368件

精霊の守り人

4.704.70
文章力
4.70
ストーリー
4.70
キャラクター
4.75
設定
4.75
演出
4.63
感想数
5
読んだ人
19

すべてのキャラの生き様が輝いている1冊

5.05.0
文章力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

『守り人』シリーズの第一弾なので読んだ方も多いと思いますが、私は大好きな1冊です。バルサを始め、登場人物たちがみんな実に個性的で生き生きとしていて、自然に物語に引き込まれてしまいます。魔物につかれたとして父親から命を狙われることになった皇太子チャグム、土着の呪術からその謎を解き明かそうとするトロガイ、優しく温かくバルサやチャグムを包み込む呪術師見習いのタンダ、そして、バルサの手伝いをしようとする少年やチャグムの命を狙う『狩人』と言われる暗殺者まで、まるで自分がその世界に入り込んでバルサたちと一緒に旅をしているかのような気持ちでどんどん読み進められます。作者が民俗学者ということもあって、バックグラウンドの世界観がすごくしっかりしているのも魅力的です。大昔に侵攻してきたヨゴ人と土着の人々ヤクー人、それぞれの精神世界がきっちり作りこまれているので、子供向けのファンタジーとバカにせず、大人にこそ読んでほしいと思います。

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その世界観に引き込まれ、読み終えるまで本を閉じることができない

バルサの孤独な闘いにつらくなるのに目が離せない川を流される人を見過ごせなかったバルサは自ら川に入り流されていた者を助けたが、それがすべての始まりだった。人助けをしたに過ぎないバルサであったが、まるで罪を犯したもののように取り囲まれ、捕らえられてしまう。ただの通りすがりのつもりがそうはいかなっかった。気がついた場所は暗い牢の中であり、身動きできない状態であった。少なからず拷問を受けて助けた理由を探られるバルサだったがものともせず死を覚悟しているようにも思えた。初めて登場したときからこのバルサという人物はただ孤独で、しかしその運命を受け入れてひたむきにしたたかに生きているように思えた。それまでの人生でいったい何があったのか、誰も信じない、自分の力で生き抜くこと以外は何も信じない。そんな人物の力強さと秘められた苦しみのようなものを感じながら目が離せない気持ちで読み進めていた。ひっそりと生きて...この感想を読む

4.04.0
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