笑いと叫びはよく似ている
全身整形によって美しさを手に入れたトップスターの「りりこ」。 しかし、整形の後遺症が彼女を蝕み始める。 美の崩壊と、頂点からの転落の恐怖に追い詰められていくりりこは現実と悪夢の狭間をさまよう。 私には りりこは「憧れ」 羽田は「現実」 多田は「未来」 のように感じられました。 りりこのように美しく、人から愛され、求められたい。 それは女性の願いだと思います。 でも、現実は羽田のように仕事で怒られたり、何も出来ず、平凡な、大勢から憧れる美しさとは無縁の存在。 そして、年老いて美しさを失った多田は未来の自分が共感できるキャラクターではないでしょうか。 また、主役のりりこを演じた沢尻エリカが人形のようにキレイで、まさに現代の若い女性の「憧れ」にぴったりでハマリ役に感じられました。 監督の蜷川さんが作りたかった、今っぽさがよく出ていたように思います。 沢尻さんの演技も鬼気迫るものがあり、見ていて良い意味で辛くなりました。 しかし、残念だったのが検事のキャラクターとラスト。 リアリティを追及するなら検事ポエムは少し控えても良かったのではないでしょうか・・・ ラストは、りりこが姿を消しても世間を喜ばせている。 それだけで良かったように思いました。 映画冒頭のセリフの 「笑いと叫びはよく似ている」 これに共感できる人は見ていて面白い映画だと思います。
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