等身大の平凡ながら頑張るフリーターに心奪われる作品
まずタイトルがとても秀逸だと思いました。タイトルを目にした だけで「フリーターがどうやって家を買うのか、はたまたどういう 意味合いをもったタイトルなのか」といろいろ考えを巡らせてしま います。 そしてその期待を裏切ることなく、このタイトルは物語に深く深く 関わってくるのです。読み終わって改めてこのタイトルを見直した とき思わずホロリとしてしまいました。読み進めるうち主人公の 人柄に心奪われていきましたが、それは主人公が自分と同じような 平凡な若者として等身大に描かれていたからのように思います。 その思いや葛藤や弱さに共感でき、かつそれを一つ一つ克服して いこうとする姿がとても素敵でした。またフリーターという設定や 家庭内の込み入った問題をストーリーに取り込んでいるのにちっとも 暗い印象を受けることがありませんでした。それは作者有川さんが キャラクターの言葉や行動に人間味を持たせているからのように 思います。 心がほっこりして前向きになれる作品なので機会があればぜひ 読んでほしい作品です。
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