フリーター、家を買う。の感想一覧
有川 浩による小説「フリーター、家を買う。」についての感想が5件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
原作よりドラマが面白い不思議な作品
小説<<<<<<<ドラマ『フリーター、家を買う』は、『図書館戦争』に次いで、有川浩作品のなかではかなり認知度が高い作品なのではないだろうか。というのも、少し前の話になるが、この作品『フリーター、家を買う』はドラマ放送されているのである。主演は二宮和也、母親役は浅野温子、父親に竹中直人と、TVドラマにしては恵まれすぎるほどの豪華俳優陣。ストーリーは原作からだいぶ脚色されているが、実によくまとまっていて感動できる良作だった。お母さんが騙されて息子の就職お守り買ったシーン、筆者はボロ泣きしました。ところが、その原作となった小説版は、物足りない出来だったように筆者は感じている。詳しくは次項から説明するが、そこに有川浩の作家性の問題点があるのである……。どこか鼻につく有川浩作品そもそも有川浩はライトノベル出身だ。今では知名度・応募者ともに業界最高の電撃文庫大賞で、大賞を受賞した経歴の持ち主である。...この感想を読む
以前にドラマ化された一冊。
嵐の二宮君が出ていることがきっかけで、ドラマを楽しみに見ていましたが、次第にストーリーにひきこまれていき毎週、放送を楽しみにしていました。原作の設定はドラマと細かいところが違ったりもあるけれどそれもまた面白く、登場人物の表情や声が脳内再生されて想像しながら読めました。最初のほうは、主人公一家が痛々しくイライラもつのるような展開ですがその分、母親の心の病気が発覚してからの誠治の成長ぶり、変化をしっかり感じることができて面白かったです。ドラマでも印象的なシーンだった、母親の手にクリームを塗ってあげる場面、誠治と一緒に泣いてしまいそうになる。母親が病気にならなかったらきっとそんなことしてあげるなんて思えなかったかもしれない・・自分の家族に重ね合わせてしまい、家族の大切さも気づかせてくれるいい本でした。
頑張るっていいなと思わせてくれます
就職先を自分の我侭とプライドで辞め、フリーターとしてアルバイトを転々としながら好き勝手に過ごしていた青年が、母の病気をきっかけに一念発起して頑張る奮闘記。最初はプライドばかり高くて、自分勝手だった主人公の青年が、段々と周りのことも考えて成長してゆく様子は読んでいて気持ちがよかったです。母親の病気や、その原因となる家庭環境・ご近所付き合いといった少々重いテーマを扱っていながら、決して読んでいて気分が重くなることがなかったのは、ずっと主人公に前向きな姿勢があふれていたからだと思います。読みながら主人公を応援する気持ちでいっぱいでした。読んだ後は、気分もすっきりして元気をもらったお話しです。頑張るっていいなと思いました。
等身大の平凡ながら頑張るフリーターに心奪われる作品
まずタイトルがとても秀逸だと思いました。タイトルを目にしただけで「フリーターがどうやって家を買うのか、はたまたどういう意味合いをもったタイトルなのか」といろいろ考えを巡らせてしまいます。そしてその期待を裏切ることなく、このタイトルは物語に深く深く関わってくるのです。読み終わって改めてこのタイトルを見直したとき思わずホロリとしてしまいました。読み進めるうち主人公の人柄に心奪われていきましたが、それは主人公が自分と同じような平凡な若者として等身大に描かれていたからのように思います。その思いや葛藤や弱さに共感でき、かつそれを一つ一つ克服していこうとする姿がとても素敵でした。またフリーターという設定や家庭内の込み入った問題をストーリーに取り込んでいるのにちっとも暗い印象を受けることがありませんでした。それは作者有川さんがキャラクターの言葉や行動に人間味を持たせているからのように思います。心がほ...この感想を読む
温かくなっていく家族のお話。
読み終えた感想は、私はあんまり好きな設定ではありませんでした。しかし、最後まで結局読み終えたのでなんやかんや云いながらも楽しめたのかな、と思っています。家の中の話もあり、家の外の問題や辛さもかかれており、自分が主人公だったらこんなことできるだろうか、と考えさせられるところもあり、読書感想文なんかには向いている作品かもしれません。ドラマ化されたこともあり、ドラマになった後に読んだのですが、読みながらドラマのシーンが蘇ったりして、すごく情景が浮かびやすく、読み進めるのが早かったです。結局は、有川先生の作品が好きならば読んでみたほうがいいと思います。もちろん興味がある人も読んでみてください。