こんな検事がいたら最高! - HEROの感想

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HERO

4.884.88
映像
4.50
脚本
4.88
キャスト
4.50
音楽
4.75
演出
4.63
感想数
4
観た人
20

こんな検事がいたら最高!

5.05.0
映像
4.0
脚本
5.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.5

目次

初めて知りました

今まで、検察官という職業の事はほとんど知りませんでした。ニュースや新聞で目にする事はありましたが、具体的に何をしているのかというのは分からなかったし、どちらかというと刑事にとっては敵という印象でした。しかし、このドラマを見て、実は検察官が刑事よりも捜査権限がある事。検察官は単独でもその権限を行使出来る事を知りました。更に、事務官と呼ばれる方が秘書のように検察官を補佐するというのも、このドラマを見なかったら知る事はなかったでしょう。ドラマの中で検察バッジについて語るシーンがあります。夏の激しい陽射しと秋の冷たい霜を表現しているというそのバッジを、検察官の方達は誇りを持ってつけているのだと分かりました。ただ、脚本家の福田靖さんがヤメ検の弁護士に話しを聞いた所、本来検察官のお仕事は99.9%デスクワークで、久利生のようにお出かけをする事はないとの事で、ちょっと残念した(笑)。もし、検察官の方達が久利生のように捜査をしていたら、もっと様々な事件が素早く解決するのになと思いました。

シリアスの中にコメディ?コメディの中にシリアス?

中卒で補導歴もあるのに司法試験に受かり、堅苦しいスーツではなくダウンジャケットを羽織り、更には大切な検事バッジを無造作に持ち歩く。木村拓哉さん演じる久利生公平は、今までにないタイプのまさに新しいHEROでした。通販オタクで、いつも何かしら珍しい道具を使い周囲からは白い目で見られながらも、一度事件となればすぐに「お出かけ」をして、どんな小さなヒントも見逃さない。誰よりも弱者の味方になってくれる姿は本当に頼もしかったです。ただ、女心はイマイチ分からない見たいですけど。そんな久利生に振り回される雨宮舞子は、真面目を絵に描いたような人物で、トレードマークの黒縁メガネと、久利生とよく口論する姿が微笑ましかったです。演じられた松たか子さんはあまりコメディのイメージがなかったので正直驚きましたが、雨宮があれ程までにチャーミングな女性として見えたのは、松さんの演技力あっての事だと思います。そして、そんな二人の周りも実に個性的でした。自称「エース」の江上さんと末次さんの年齢差コンビは、いつも末次さんが小さくなっている印象ですが、時々立場が逆転になる所が面白かったです。末次さんは美鈴さんの事務官も兼任されていましたが、美鈴さんに対する態度がかなり可愛くて、想いが届けば良いなと、思いました。もちろん、かなり無理がありますが。だって、美鈴さんには芝山さんという彼氏が居るのですから。不倫ですけど。その芝山さんとの身長差コンビである遠藤さんは軽すぎますっ。あんなに合コンばかりで大丈夫なんでしょうか?そして、そんな彼らを束ねて居る牛島さんの気苦労と、久利生を優しく見守ってくれる鍋島さんという重鎮が居るおかげでドラマの方も引き締まります。ですが、やはり一番気になるのはあの人ですよね。そうですっ。バー「St.George'sTavern」のマスターです。どんな無茶苦茶なオーダーにも「あるよ」の一言と共に用意してくれるという器用さ。まさか寿司まで出てくるとは思いませんでした。久利生にとっては通販の良さを分かってくれる同士でもあり、店内ではいつも通販番組が流れていました。結局名前さえ分からなかったマスターですが、彼の存在力にかなう人は居ないでしょう。ドラマの内容も、殺人事件から結婚詐欺にストーカーの冤罪という身近な物が多く、久利生の法律関係の説明も的確で分かりやすかったです。終始シリアスが続くわけではなく、適度に笑えるシーンも入っていて、退屈しないでドラマが見れました。ですが段々シリアスの中にコメディなのか、それともコメディの中にシリアスなのか微妙になってきましたが。それに、久利生と雨宮、それに江上との三角関係も気になりました。三角関係といっても雨宮の答は分かってるんですけどね。三角関係ってドロドロした感じが多いんですが、『HERO』では爽やかな感じに描かれていて良かったです。最終回で沖縄に飛ばされた久利生を訪ねてきた雨宮に「おおっ。とうとう告白かっ」と思いましたが、結局日焼けの話題で終わってしまったというのが、何だかこのドラマらしくて良かったです。平均視聴率が34.3%というのも納得です。

これ以外には考えられない

主題歌となった宇多田ヒカルさんの「CanYouKeepASecret?」ですが、こんなにピッタリと合う曲はありません。特に出だしの「近付きたいよ。君の理想に。おとなしくなれない」という歌詞は雨宮さんの久利生さんへの気持ちを表しているようで、聞く度にキュンとします。歌番組で時々聞く度にドラマを思い出すのは私だけではないでしょう。主題歌というのは時にタイトルよりも大事なのかもしれません。主題歌が悪いだけで見る気をなくす場合だってあるのですから。そういう意味ではこの『HERO』の主題歌は、大成功と言えるでしょう。

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まるで素敵な絵本のよう

潜在的に刷り込まれている構造例えば、童話を書くときの基本は「行って帰ってくるお話し」だと聞きます。行って帰ってくることは、子供にとって大冒険だと。冒険と言うと行くだけでいいような気もしますが、ちゃんと帰ってくることが冒険を冒険にしてくれます。帰る場所があるから頑張れる、ということでしょうか。そして、帰れるだろうか、という不安が物語を面白くします。大人の「起承転結」が、子供の「行って帰ってくる」にあたるわけです。子供はまだ複雑なものを知りません。恋愛や上下関係、憎しみ悲しみ劣等感、経験しても、複雑なものを複雑に理解しません。複雑なものも単純に理解します。子供は自分のことを信じるしかないのです。まだ知恵が無いのだから仕方ありません。初めて見るものばかりです。だから、行って帰ることが素晴らしく面白いのです。どんなに怖いことがあっても、主人公は自分の家に帰ってくるから、子供たちは安心して本を読...この感想を読む

4.54.5
  • なかがわみきなかがわみき
  • 266view
  • 2756文字
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木村拓哉がカッコよすぎる

検察官を題材にしたドラマをこれまでに見たことがありませんでしたが、どうしても堅苦しい内容になるのではないかと思っていました。しかし、HEROは伝えないといけない部分はきちんと伝える上で司法のことがわからない、興味がない人にもわかりやすく興味が持てる内容になっていて、恋愛のことも盛り込んであるため取っつきやすくなっていると思いました。木村拓哉と松たか子の距離がだんだんと縮まってお互い意識してきているのが1話ごとに伝わってきて、フランス大使館のパーティに誘うときもサラッと誘えばいいのに江上検事と行ったら?と思ってもないことを言ってしまって、松たか子も誘われるの期待していたのに動揺して最初に断った江上検事を誘いに行ってしまうところなどもどかしい場面が多くて、くっつくのはわかっているけどどんな風にくっつくのか気になってしょうがないです。事件のことも見る側にわかりやすく、絶対あれだけ勉強していて真面目...この感想を読む

5.05.0
  • ysugiysugi
  • 113view
  • 504文字

ヒ-ロを見たマジメな感想

放送された当時、必ずビデオ撮って見てました!再放送で見ても、やっぱり面白いですよね~ なんといっても一番は久利生検事役のキムタクのカッコよさが際立ちますが、時々見せる健康器具を使っている姿もかなりセクシ-ですよね!あれって、気に入ったものがあったら、絶対自分の家にも買って置いてるんじゃないかと思います!必死でやってるし!ドラマの見どころとしては、久利生検事が自分の足で現場に出向いて、気づかなかった真実を突き止めるところにどんどん引き込まれていきます。思いもよらなかった真実にたどり着いたときは、自分も涙してますよね~。 キムタク自身も、プライベ-トでは情にあついと聞きますが、久利生検事の人柄もまさにそれですよね!罪を犯した人間にも真剣に向き合い、その人の立場に立って考えられる・・そしてとことん真実を追求していく・・あんな検事さんが本当にいたらいいですね!ドラマの中でも「冤罪」が大きなテ-...この感想を読む

5.05.0
  • レッド・フランジパニレッド・フランジパニ
  • 91view
  • 532文字

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