彼女たちの時代のあらすじ・作品解説
彼女たちの時代は、1999年7月7日から9月22日にかけてフジテレビ系列(CX)にて放送されたドラマで平均視聴率11.3%を獲得した深津絵里主演のドラマである。 「私は何でこんなことをしているんだろう」「俺はこんなことがやりたかったんだろうか」と、若者の誰もが心の中に抱えている閉塞感に注目し、男女達が仕事・恋・人生に悩む等身大の青春ストーリーで表現し全12話放送された。主演の深津絵里の他に、椎名桔平・水野美紀・中山忍・加藤晴彦らが出演していた。 また、フジテレビ・FNN各局・BSフジ・フジテレビ721にて再放送された作品でもある。テレビ情報誌による「TVぴあドラマ大賞1999」「テレビStation999 最優秀賞ドラマ」「ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞・最優秀作品賞」を受賞。 2000年1月19日にVHSにて全4巻でソフト化され、2012年4月にはフジテレビオンデマンドにて全話有料動画配信が開始された。
彼女たちの時代の評価
彼女たちの時代の感想
勇敢でない人たちの勇気
不思議の雲の表出すごい空気感だ。何も悲しくないのに、泣いてしまう。そんなドラマです。空気で泣くなんてことは、なかなかありません。例えば、日本画を見た時、絵の中の透けていく色を見て、泣いてしまう、そんなのに近いかもしれません。「なんていう色…」という風に。そのとき、何の絵かなんて関係ない。例えば、夢から覚めて、内容も思い出せないのに、何とも胸が苦しくなって泣いてしまうような、そんなことにも近いかもしれません。悲しいのでも、哀しいのでもありません。ただつかみどころのない苦しみが押し寄せてきて涙がでてしまう。そんな雲の中にいるような空気の感じに泣いてしまうのです。だから、不思議なんですけど、ドラマタイトルの「彼女たちの時代」と聞いただけで、ふわああああ、と謎の霧で心を覆われてしまう。涙が出そうになる。そんな現象にみまわれます。パーンとハイライトで作中の場面、場面が浮かんでくるのではなくて、ま...この感想を読む
リアルさを追求したドラマ
リアルな悩み主人公の設定年齢は26歳ですが、これがもし今現在放送されるドラマなら、女性がこれからどう生きていくか、ということを考える分岐点として設定される年齢はもっと上でしょう。でもその悩む内容に関してはさほど変化はないと思われます。毎日淡々と続く仕事に耐える日々、男性と同じ出世を目指すならそれなりの覚悟が必要で、心のどこかで結婚への漠然としたあこがれがあり、明日食べるものに困るというような危機があるわけではないが、自分がどうしたいのかよく分からないまま流されていくことへの不安、を持つ年代の女性3人が、何か特別な存在なのではなく、自分の中に同じ部分を見つけられるような、リアルさに惹きつけられた視聴者が多かったのではないでしょうか。登場人物がみんなそれぞれ持っている悩みをチラチラと見せるやり方は、ストーリーを決して明るくはしませんが、自分と同じだ、という身近さを伝える手段としては最高の効...この感想を読む