痛快アクションが楽しい映画 - ナイト&デイの感想

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痛快アクションが楽しい映画

5.05.0
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
4.0
演出
5.0

目次

ロイとジューンの掛け合いが好き

そんなに中身がある物語ではないと思っているのだが、とにかく主演のトム・クルーズとキャメロン・ディアスがお似合いで。2人の言葉の掛け合いが好きだった。出会い方も運命的で、1度ぶつかるのでなく2度ぶつかるという…素敵なストーリーよね~…そこから怒涛の飛行機の中でのバトル。着陸したあとも常に狙われ続ける2人。元CIAで追われる身だったロイとたまたま一緒にいただけなのに、ジューンも災難…

僕といれば安全、離れたら危険(With me. Without me.

っていうところのセリフとジェスチャーがすごい好きだったな。予告編のときからおもしろいなーって感じた。

その後もとにかくロイが追われ続け、ジューンはロイが匿う女ということで同様に危ない目に遭っていく。当初はロイのほうが十分危ない人物で、何かジューンが騒げばジューンを気絶させて連れまわしていた。それはジューンを守るためにやっていることなんだが、ジューンからすればなんで連れまわされるのか分からず、理解できない様子。そりゃー一目惚れした相手とはいえ、そこまで危ない男なら離れたいもの。離れたいのに、ドキドキが止まらないジューン。心臓のドキドキは恋愛だろうが焦りだろうが同じだからね。いくらでも錯覚したまま恋に発展しちゃってもおかしくないだろう。ジューンはしばらく気持ちが追い付かずに進んでいくが、ロイの強引な感じとジューンのパニック具合がお気に入り。キャメロン・ディアスが久々に映画に出たなーって思ってたときだったし、余計に楽しく観れる映画だったと思う。

安全だと言われたら危険

「安全だと言われたら危険だからな」とロイに念押しされるジューン。そして案の定捕まり、「安全なところへ連れていきます」という良さそうで悪そうな連中。安全だと言われているのに危険になるなんて…理解できないけれど、不安になるジューン。で、実際にロイが車の運転手やらボディガードやらを撃ち殺してしまうので、結局危険な状況に。確かにロイの言ったとおりになったんだが…それは危ない黒づくめの連中によるものというより、ロイが作り出しているものとも言えるので、そこもまたウケる要素というか。いいなーって思ったシーンだった。

その後も次々に休む暇なく襲われる2人。落ち着く間もないから忙しいが、アクションがどんどんレベルアップしていくのを楽しめる。飛行機の中では単純な格闘から拳銃へ。飛行機を不時着させたと思ったら、カーチェイスを繰り広げたり、路面電車巻き込んだり。マシンガンも登場してどんどん激しくなって危険になる戦闘。楽しいねーおもしろいねーロイが悪い奴なわけないって思いつつ、悪い奴でもいいかなーと思ってしまっている自分もいたりして。だってロイがカッコいいんだもの。ワイルドな生き方もいいかなって思ってしまうんだなーこれが。すごい悪人がジューンみたいな一般人助けたりしないだろうし。主人公俳優が悪役ってなかなかないしね。逆に利用してやるくらいの気持ちになるのが極悪人ってもんだろうなと思う。

強引なロイをいったんは信用できなくなる

ジューンもそりゃーバカではなくて、ロイに振り回されて連れまわされるうちに、ロイに疑いの目を向けていく。ロイが持っていたゼファーはサイモンが開発したもので、それを売りさばこうとしているというような様子も見てしまい、そこからまた戦闘へ。そこで初めてロイが負けて行方不明になってしまったことで、ジューンは予定通りに妹の結婚式に出席することに…ロイを裏切ってしまったとはいえ、ロイの事が気がかりでしょうがないジューン。そして結局彼の住所を訪ねてみることにする。そこにはナイト夫妻というご夫婦が住んでいて、実はロイのお父さんとお母さんで…いかに親孝行な息子か、ということを知る。自分が死んだことになっていてもなお、お父さんとお母さんへの支援を怠っていないということも…すばらしいわ。生きてたら会いに行きたいものだろうに、危険な状況にさらさないために敢えて自分とのかかわりを絶っている。そりゃー感銘を受けるね。

そして覚悟の決まったジューン。自分がゼファーを持っているって敵陣へ乗り込むなんて…イカしてる!ロイのかっこよさと度胸がそのまま乗り移ったかのよう。ロイとバイクに乗って堂々と相手に銃口を向けるジューンはとてもかっこよかった。

物語において、常にロイが救世主になっているわけではない、というのがアクセントが効いていていい演出だったなーと感じる。そのまま進んでいたら面白くならないだろうしね。

ラストの幕引きもまたお上手であった

バトルの中で、ロイはまたもや打たれてしまう。ゼファーも奪われてさぁどうする?!ってなったとき、まさかゼファーが爆発して、失敗作だったというオチ…これはつまらなかったというか、あっという間の終わりだったというか…この物語で一番の爆発だったとのだが、それならさっさと相手にわたってしまったほうがよかったのになーって思ってしまった。まぁよかったけどさ。

そして、今まで何度となく連れまわされたジューンが、今度は逆にロイを連れまわし、目覚めたら水着に着替えさせているという屈辱を逆転させたのはとってもよかった。そして、最終的に両親と会えるように手配をしているというこの周到さ。すっかりロイに影響されて、口もうまくなったジューンがおもしろかった。

この場合、別にお父さんお母さんと再会できなくても、この後できたんだろうなーって思えたから、物足りなさは全然なかったね。

いついかなる状況でも愛を語るロイと、それにこたえるジューンが素敵であった。闘いの中で、ドキドキしていたのはジューンだけじゃないんだなーって思えた。ロイは自分のことを普通じゃないって思ってて、それでもついてきてくれるジューンのことを嬉しく思っていたんだろうなと思える。「運命」ってこんな感じかなって想像してしまったね。

これからもパワフルな日々

この2人がこれからどんな生活を送るのかなーって想像してみたが、どうだろうね?CIAのかなり上のほうに格上げされる予定のロイではあったが、そこでジューンが連れ出してくれるのがまたおもしろいよね。常に逃げ回る立場にさせてくれるらしい。それはジューンの優しさであって、CIAという危ない職業にいるかぎり、ロイには自由がないってことをわかってくれていて、敢えて連れ出してくれたんだろうなーって想像できるから、嬉しくなってくる。

ロイは両親と再会できたとして、自分が息子であると宣言できるだろうかと思ってしまうが、CIAでなくなったとすれば、彼はどんな職業に就くだろうな~ジューンは接客業が似合いそうで、車の製造業系をロイがやればいいんじゃないかなと思うよ。そして家業継いでしまえばいいんじゃないだろうか。そんな勝手な想像を繰り広げる私である。

ジューンがロイを受け入れていくまでは無理なく進んでいるし、アクションとコメディ、さらにはさらっとラブロマンスも組み合わせている、なかなか秀逸な映画だったんじゃないかなーと思う。ロイのお母さんとお父さん、何とも優しい雰囲気で…ナイトという名前が良く似合う2人だった。紳士淑女って感じがして。ガサツさが全然なかったキャラクターがかなりお気に入りだった。変に飾ったような、有名な俳優さんがやってない感じって、けっこうハマるものがあると思う。展開もわかりやすく、2人の逃避行を純粋に楽しめる作品だ。

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