慎ましい日本人の生き方・「たそがれ清兵衛」
慎ましい日本人の生き方・「たそがれ清兵衛」 「寅さん」でお馴染みの、山田洋次監督の傑作時代劇三部作の第一作目の作品。 山田監督らしく、細かな人間描写やユーモラスな要素も取り入れられ、重厚なドラマが展開され、時代劇の新しい境地を開拓したとも言われている。 原作者は藤沢周平で、作者の故郷である山形・出羽の国、現在の鶴岡を架空の藩名の海坂藩(うなさかはん)として登場させている。 「時は幕末、海坂藩の下級武士・井口清兵衛(真田広之)は妻を亡くし、幼い二人の娘と年老いた母と静かに暮らしている。 そんな彼は勤めが終わるとすぐに帰宅してしまい、そのため仲間から「たそがれ清兵衛」とあだ名されていた。 そんな折、元より剣の腕が優秀なので、藩命により上意討ちを命じられるが・・、」 勤務時間が終わって帰ろうとすると、「清兵衛、帰りに一杯やらないか?」と同僚に誘われるが・・、この辺りの何気ないやり取りは山田流らしく、現在のサラリーマンに近い感覚が見て取れます。 又、主人公の生き方は、慎ましく、大きな欲望を抱かず、自分の身の丈に合った生活で満足し、 そして、勤勉実直で嘘を付かずに、殆ど愚直と言っていいくらい生真面目なのである。 これは、原日本人の資質を見る様でもあります。
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