人も桜もいつかは散る。吐息の一つ一つに、茶の湯の一杯に、敵の一人一人に命が宿っている。それを忘れてはならない。それが武士道。
勝元盛次
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ラストサムライは2003年に上映された映画で、アメリカ映画でありながら日本を舞台に日本人の生き様を描いた作品である。日本での興行収入は137億円で1410万人の観客を動員した。また、アメリカでの興行収入は1億ドルを突破し非常に高い人気を誇った。 物語の舞台は、明治維新直後の日本で政府が前時代的な侍たちを一掃しようと企てているところへ、政府軍指導のためトム・クルーズ演じる主人公のネイサンがやってくる。新政府に敵対する侍、勝元とネイサンは出会いそのサムライ魂に心を打たれるのだが、新政府は勝元の率いる反乱軍を鎮めようと戦いが始まり、ネイサンのみを残し反乱軍は全滅してしまう。しかしこの戦いによって勝元の生き様に政府軍にもかつてのサムライ魂が取り戻されるというストーリーである。 勝元を演じた渡辺謙は、アカデミー賞助演男優賞ならびにゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされた。また、他の日本の俳優が海外進出する契機となった。
賛否両論いろんな意見を事前に聞いていましたが、私自身がこの時代の歴史にあまり詳しく無い事もあってか、素直に楽しむ事が出来ました。ただ、聞いたお話によると、時代背景などは、結構めちゃめちゃとの事です笑。海外の方から見た日本に対するイメージってこんな感じなのかなぁ。とも客観視出来ました。忍者が出てきたのにはびっくりしました笑! でも、さすがハリウットというばかりに、とても迫力ある映像ばかりで、特にラストの戦闘シーンは、これ実際にやってるの?!ってくらい馬や人の動きにリアルさを感じました。トムクルーズの鎧姿もとても素敵だったし、何よりも渡邉謙さん、カッコよすぎです!!実はこの作品で注目されるまで、謙さんの事は知らなかったのですが、こんな素晴らしい俳優さんが日本にはいたんだ!と感動しまいた!!
今までにハリウッドが日本を舞台にすることは何度もあった。しかし古くはとんでもないありえない日本であったり、奇妙であったり、エキゾチズムや偏見で歪められたりと、日本人には違和感があるのが多かった。本作も今の日本人から見ると少しおかしいと感じることがあるが、一方的で意味不明なものではなく、それなりにリスペクトして理解しようとしているのはわかる。戦闘シーンやプロットなどはむしろ日本の時代劇が学んでもいいのではないかと思う美点もある。明治の近代化に洋式軍隊の指導に来て次第に滅び行く古い武士達に共感するというストーリーでわかりやすい。史実性はともかくも映像的な表現もハリウッドらしいし、日本の幕末の戦争がこんな風に変わるのかと新鮮味があったのも事実だ。
あくまでもフィクション、ファンタジー要素が入っていると承知して観ていないと、あり得るわけがない状況に笑ってしまうかもしれない。けれど、これは「ラストサムライ」という史実を元にした別世界なんだと考えてみると、矛盾点もストンと素直に受け止めることができる。あり得ない設定も無知や調査不足ということではない。細かく描かれている日本人の、礼儀を重んじる姿を見ていると、決して手を抜いているわけでもないことが分かる。史実に基づいた日本らしい映画を見たいのだったら邦画を見ればいい。ハリウッド映画にしては今までにない視点で日本を描いたという点が一番おもしろい。
よみがな:めいじてんのう
勝元盛次
近代国家建設に向け軍備の増強の指導者として来日したオールグレンは、侍・勝元軍と戦う。勝元はオールグレンを殺さずに捕え、村で生活させる。オールグレンは侍たちの精神世界に魅せられ、心の中に静けさを取り戻し、その生活に神聖なものを感じ始め、村の人々からも信頼を得るようになる。やがてきた春、勝元は桜咲く寺の境内でオールグレンを解放することを告げ、武士道とは何かを語る。
ネイサン・オールグレン大尉
近代的軍備増強のため来日したオールグレンは、侍・勝元と戦で捕らえられ、勝元や侍たちと生活をする中で、神聖なものを感じる。東京に戻された彼は、勝元と共に政府軍と戦う。戦場で傷ついた勝元はオールグレンにとどめを刺すよう頼み、こと切れるが、政府軍兵士たちは勝元の死に様に涙し、跪き頭を垂れる。生き残ったオールグレンは明治天皇に拝謁。勝元の遺刀を渡し、天皇にこう答える。
ネイサン・オールグレン大尉
明治維新後、近代的軍備増強のため来日し軍隊の訓練を指揮するオールグレンは、ある日、不平士族の勝元軍と戦う。勝元は彼を捕え、村で丁重に扱う。オールグレンはその村での生活に神聖なものを感じ、人々からも信頼を得るようになる。東京に戻されたオールグレンは大村からの勝元討伐軍の指揮官就任を断り、勝元達の一員となり、政府軍と戦う事を決める。数の上で政府軍との不利な戦の前にどう戦うかを勝元はオールグレンに問う。