ファンタジーとリアルの狭間!大人がワクワクできる新鮮な漫画
探偵もので主人公は超能力者!女性には興味持ちづらい?
この漫画の主人公、音川珠里は18歳の超能力者。叔母の事務所で調査員として働きはじめます。
なかなか普通の女性誌にはない設定ですよね。探偵というと、ハードでワイルドなイメージで(笑)あまり興味がありませんでした。それに加えて、「超能力」ってなじめない、と最初に思いました。自分は特別ではない、とわかってしまった大人(特に女性)にとってファンタジーものってとても読みにくくないですか? それよりは、自分も感情移入しやすいオフィス・ラブ系を読みたいです。しかし、この作者さんが子供のころから好きだったのでついつい読み進め、この導入部への偏見は一掃されました。 主人公に対してアラサー女性はとても感情移入できると思います。「超能力」といっても万能ではないし、それでバトルするわけではありません。むしろ、苦労することのほうが多くて、、。人の気持ちを読みすぎてしまい、気を使いすぎ、恋愛も友達関係もうまくいかない。なんだか人生お疲れモードな時に読むと主人公にかなり共感できます。お仕事にも手を抜かず、キャリアアップをめざす主人公の生きる姿勢は素敵で見習いたいとも!
実際には、身近でない「探偵」、リアリティを求める方には受け入れがたい「超能力」というファンタジー要素、これらに「恋愛」「女性の働き方」「孤独」など誰にとっても身近でリアルな要素がバランスよく組み込まれています。
これは現実には絶対ないだろってツッコミをいれつつも、ついつい応援してしまう感じです。
少女漫画的展開も楽しい!
漫画において、リアリティや感情移入が重要な要素だと思っています。とはいえ、漫画はやはり夢をみたいですよね。主人公はタイプの違うイケメン2人と複雑な恋愛関係にありますのでそこは夢みつつ楽しめます。また、この漫画のすごいところですが、白王子と黒王子に好意を寄せられる主人公といった少女漫画の王道のシチュエーションにもかかわらず、「愛情と同情」、「仕事と恋愛」とか大人の恋愛要素がやはりバランスよく含まれています。主人公が結構ひどいことしてしまったり、流されてしまったり、ほだされてしまったり、、。主人公が基本は謙虚で暗めな性格なのですが、自分の外見の良さをしっかりと利用しているなこいつめー★^^みたいな感じの部分もあり、そこも友達目線で楽しめます。
脇役も個性があって深い
探偵事務所の室長、主人公の親友、幼馴染の超能力者といった脇役もみな個性的で目が離せません。
私は、ただただ、主人公のサポートに徹してくれる、自分のために動いてくれる脇役キャラクターに違和感を感じてしまうことが多いのです^^;その点この漫画は細部まで楽しませてもらっています。
主人公の親友は、「性格がいい」と言われていますが、普通に怒ったりもしますし、少し腹黒いようなことろもあります。逆に幼馴染の超能力者は「性格が悪い」かなりのトラブルメーカーなのですが、実は繊細で色々悲しい思いをしてきていて、どこか憎めないところもあります。どんなに脇にみえる小さいキャラにも人間味があるところがこの作者のすごいところであり、世界観がどこかリアルたる所以だろうと思います。実際にいろんなタイプの人間と深い付き合いしてみなきゃこういう作品はかけないだろうな、と思っています。
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