アンダードッグのあらすじ・作品解説
アンダードッグは、原作を橋本以蔵、漫画を壬生ロビンが担当した漫画作品で、月刊ヤングジャンプ誌上にて2008年6月号より連載を開始、2009年6月号で終了、単行本として全3巻を刊行している。 今作品は、気が弱い盗撮趣味の国吉直人が、ある女性に声をかけられ、莫大な優勝賞金がかかったトーナメント大会に出場したことから始まる。 小学校の頃から空気男と言われ続けたトラウマを抱えている国吉は、ピッキング盗撮が趣味であった。そんな国吉は大学に通い友人もおり、就職先も決まっているのだが、ある女性から「ゲームに参加して大富豪にならないか」と誘われる。ゲームの内容はトーナメント制の殺し合いで1年間勝ち残ること。 殺すと行っても国吉自身の手で危害を加えてならず、あくまでも第三者が殺すように仕向けなければならない。トーナメントの存在をトーナメント参加者に第三者に知らると、主催者に殺されてしまう。また、勝負は2週間以内に決着を付けねばならず、引き分けの場合には再試合がなされ、さらに決着がつかない場合は両者ともに殺される。国吉の一回戦の相手は天涯孤独の殺人鬼だった。この殺人鬼がとった陰湿な作戦とは!?
アンダードッグの評価
アンダードッグの感想
1人目でもはや最終目標達成しちゃった話
生々しい欲望の嵐国吉直人は、小学生の時「空気男」と呼ばれたことがトラウマとなって、大学生になった今でもそれを引きずり、交友関係を築けずにいた。そればかりか、ムカつく相手に対して陰湿な方法で仕返しをして、いい気味だと自己満足する最低な日々。一生懸命がんばったことに対して、世間が冷ややかであることを受け入れられずにいた。なんでこんなつまらない時代に生まれたんだろうと。そしてある時、爆乳のディーラーが突如現れ、彼に殺し合いゲームの招待状を届ける。世界を思うがままにする権力を手に入れることができるというこのゲーム。果たしてクズにそんなすごいことができるのだろうか…?主人公が、クズです。閉じこもってるだけならまだしも、髪の毛にガムをくっつけてやるとか、ピッキング・盗撮とか、さらには小さな子どもの顔にやけどを…とんでもない野郎。これまたそのシーンも生々しく、エグイ。自分を否定されて立ち直れないのは...この感想を読む
子どもを傷めつけるのはいつも親だ
クズに与えるチャンス主人公である国吉直人は、本当のクズである。もちろん、トラウマとなった小学生の頃の思い出は根深く、それを克服させてくれる人もいなかったことは悲しいことだ。友達も、親も、君にどう接したらいいのかわからなかったんだよ。でも立ち直り方を教えるのは、きっと親の仕事なのに、誰も助けてくれなかったね。大学生になった今ですらそれを引きずり、誰の事も大事にできず、毎日をただ生きている国吉。悪口や陰口に敏感になり、世の中の誰もが自分に興味を示さないことに絶望する。世の中のすべてから愛される存在なんてあるわけないのに、自分ばっかり置いていかれたような気持ちになる。そんな彼の気持ちは、わからないわけじゃない。いつだって何かのせいにして、自分ががんばったのに認められないのはおかしいって言いたくてしょうがない。クズである自分にも、その気持ちは痛いほどわかるよ。ピッキングや盗撮、子どもへの傷害な...この感想を読む