涙なしには見れない作品!
その命に出会うのが奇跡であるということ
なにも問題がなく妊娠するということ、そして不妊治療を経て授かった命があるということ、逆に性の逸脱行動による望まれない妊娠があるということも忘れてはならない。それぞれにそのドラマがあると言っても過言ではない。このドラマは様々な視点からスポットをあて、考えさせられるドラマである。正直、見ていて苦しく涙を流してしまうこともあるこのドラマであるが、命の重みについて確実に以前より考えるようになった。
授かった命に障害があるとしたら
例えば長期の不妊治療を経て授かった子供に障害があると言われら、自分だったらどうすれあろう。生まれたとしてもすぐ死んでしまう可能性があったり、自分の命さえも危険となる可能性があるかもしれないと告げられたらどうするであろう。パートナーと相談するも意見が合わなくなったり、自分の子だけはもしかしたら違うかもしれないという受け止められない気持ちである葛藤。そして現実にあるということを忘れてはならない。ドラマでは無脳症の赤ちゃんが取り上げられている。その可能性があるということが分かり、泣き崩れる母親、そして共に悲しむ父親。できるだけ早い中絶を勧められ、夫婦はどうにもできない現実に苦しむことになる。産んだのに「おめでとう」と言われない出産。この言葉に涙なしで見ることはできなかった。幸いにも1年後夫婦は新たな無脳症ではない赤ちゃんを授かり、出産いたった。見ている間に感情移入し、どれほど良かったと思ったかは分からないほど入り込んでいる自分がいた。
亡くなってしまった母親
臨月に入りマタニティライフも終盤。あとは産むのを待つだけといった時にその母親は不運にも交通事故に合い、重体となったのだ。主人公であるコウノトリ先生は、タイミングをみて母親の母体は助けることができなくても赤ちゃんだけなら助かる方法があるとすぐの出産を父親に勧める。母親も助けることができないのかというやりとりに苦しさを覚えた。これからも育っていく赤ちゃんとその父親をずっと応援して見守りたいと強く感じた。その回は生まれたことで終了だが、後になって父親が仕事との両立で苦しむ姿やどうしていいか分からない迷いや不安から悩む。産んだら終わりではなく、むしろスタートなのだと思わずにはいられなかった。
主人公のコウノトリ先生
主人公のコウノトリ先生は、温厚で患者の気持ちを汲み取る人気のある産科医である。彼は小さい頃、片親であった母を亡くし児童養護施設で育ったという生い立ちがある。本当に素晴らしい、こんな先生がいたらいいのにと思わずにはいられない人柄だ。ツライ過去を経験したから、コウノトリ先生の今があると強く感じた。また彼は裏では天才ピアニストである。産科医としての普段の気持ちや思いをピアノの演奏にぶつけ、連絡があればすぐに病院に駆けつけることもあるため、すぐに演奏を終了することもある。ピアニストということは表向き内緒であるため、ばれるのではないかとヒヤヒヤする面もある。また先生に早くいいパートナーができればいいのにと思わずにはいられないくらい、ドラマ終盤には思ってしまうほど、見入ってしまった。
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