後味の良い純愛コメディ
人気継続中
韓国ドラマや映画に特に興味がない人でも聞いたことのある作品だと思う。実際私自身も、まだ特に韓国作品に興味がなかったころだが、流行っていたので観てみた。これは2001年の作品だが、韓流ブームは2003年放送の「冬のソナタ」の頃。つまり冬ソナより先に出ていた映画というわけだ。そして15年経った2016年、なんと今頃続編が出たというのだから人気がうかがえる。続編が出た事でまた久しぶりに観なおす人も増えたのでは?
韓国女優は美人?整形?
現在の韓国では整形するのが当たり前。その上整形していることを隠さない。目や鼻やアゴを少々直すのは日常茶飯事なわけで、アイドル達の整形もすごい。整形外科の広告の前後写真をみると、みんな同じ顔に変身している。特徴は、目は二重に大きく。鼻は小さめに高く、あごはシャープにし、胸は大きく。みんなそんな感じだ。
主役のチョン・ジヒョン(当時20歳)は、この映画を機に一気にスターの道に乗った。この後の映画「僕の彼女を紹介します」にも主役で登場しているが、断然「猟奇~」の方がよくできている。きちんとシックリくるエンディングだからだ。この頃の韓国のかわいくて綺麗な女優は、チョン・ジヒョンのようなアジア的な顔のことだったのだろう。顔の作りはもともと薄いが、化粧も薄め。グラマーというよりはスレンダー。セクシー系ではないが透明感があり純粋なイメージ。今でも綺麗だがこの映画のときは若いというだけですごくかわいい。若さとは最強の武器だということが分かる。映画の中の強いイメージを引きずり、15年経った今も強いイメージはある。実際に強い人なのかも?!か弱い役は似合わず、髪形もこの時と同じだ。
「猟奇的な彼女」つまり「ドMな彼氏」
彼女は美人。言葉も行動も強く暴力的。しかし強いのは寂しさの裏返しで、弱い部分を見せたくないから。キョヌはもともとすごく優しくて、酔った彼女を放っておけなかったり、ひどい事を言われても、強引にヒールを履かされても、結局彼女が気になるし、従ってしまう。つまり彼女と一緒にいたい、強い彼女に惹かれてしまう。ドMというわけだ。
最近の韓国の映画やドラマに、こんなに弱くて女の言いなりになる男は出てこない気がする。だいたい主役の男といえば背が高くてたくましく、好きになったら強引に攻めるイケメンだ。キョヌはイケメンでもないし冴えないが、それでも魅力的なのは底知れない優しさと一途さを持っているところだろう。キョヌことチャ・テヒョンはイケメンじゃないからこそ親しみやすく、本当にこの作品中の性格と同じなのかもと思わせる。つまり演技がうまいのだと思う。
日本ではありえないけど。。
最初の場面で彼女が酔ってつぶれて。。という場面がびっくりするほど汚い。日本映画だったらここまで見せないだろうなというくらい汚い。韓国映画は日本の映画では見せられないくらい血もドバドバだしグロイところまで見せてしまう。ある意味期待に応えてくれているのかもしれない。彼女が地下鉄の中で大声で怒鳴っているが、これは韓国で実際に今でも日常的に見られること。日本ではなかなか見られない。そう、つまり日本版を作るのには無理があったと思う。ドラマで日本版が出ていたけれどやはり不評でしたね。日本人には合わない設定が多すぎたということ。
日本版や続編はともかく、「猟奇~」はとてもさわやかな気分にさせてくれる、後味の良い映画だと思う。要所要所のBGMもよかったし、「マイガール」の音楽もピッタリだ。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)