心地よいドンデン返しで感動
かわいい女の子と情けない男の子の組み合わせが説得力
地下鉄で偶然知り合った酔っぱらいの女を解放するはめになったちょっと情けない男の子は、女の子に振り回されながら献身的に恋をはぐくんでいく、というのがまず骨格となるストーリーです。とてもかわいい主人公の女の子と、なんとなく情けなくてモテない感がある男の子の組み合わせがこのストーリーの説得力をあげています。
過去と現在が絡まる構成
ところが女の子は時々、暗い表情を見せます。その原因は死別した彼のことが忘れられず、本心をみせず、男の子を随分と翻弄します。男の子はとても我慢強い。二年後の再会を約束して、別れる二人だったのですが、再会の日、二人の当時の思いを綴った手紙を埋めた場所に女の子は現れず。三年目に女の子はその木の下にくるのですが、そこで通りすがりの老人から、前の木が落雷で死に、青年が新しい木を植えたことをしるのですね。携帯もつながらず、もう会えないとおもっていたところで、かつての恋人の母親に挨拶にいったところ、その母親に死んだ彼のいとこだといって、男の子を紹介されるというドンデン返しがこの作品の際立った肝になっています。
ドンデン返しが偶然すぎるという意見もあるかも
勝手気ままで多少暴力的な女の子と献身的な男にラブ・コメディの基本ともいえる「すれ違い」も盛り込まれた秀作です。主人公の心情が直接には語られないところ(手紙とか、第三者を通して語られる)と、その心情がまったくあざとくない(主演男優の功績、彼が「めちゃくちゃ愛している、きみだけだ」と直接的な言葉で語ったとしても映画の品を落とすことはなかっただろうけれども)ところがとても好感が持てます。伏線のしかけなども、作品の流れをくずさないよう配慮されています。笑いどころも随所にあり(特に男の子の間抜けぶりは笑えます)純粋に笑いと涙を誘う気持ちのいい映画でした。ラストが偶然すぎるという見方もあるかもしれませんが、私は前半の伏線に「引っかかった」方だったために、「やられた」という気持ちになりました。
他国でリメイクされるのは優れた脚本ゆえん
他国でリメイクされるほどの超有名作品ですが、それはやはりこの脚本の素晴らしさゆえんでしょう。どこの国であってもおかしくない話だし、骨格がしっかりしりているので、いかようにもアレンジのしようもあるというのが優れた点でしょう。短絡的にいえば、かわいい女の子と情けない男の子のキャスティングさえうまくいけば、この作品に近い作品は作れるかもしれません。
それにしてもこの作品の女の子は本当に輝いていて、かわいさが半端ないです
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