スクール物ではダントツのおもしろさ
天使にラブソングをと並ぶ傑作
音楽狂のデブ男。自分のバンドさえクビになり、友人宅で途方にくれているところ、たまたま友人に依頼のあった臨時教師の職を友人になりすまして手に入れるという話。そこからはちゃめちゃのように見えて、生徒たちとの音楽を通した心の交流が始まるという話です。
だから、まあ、よくあるストーリーの作品ですが、めちゃくちゃおもしろかった。もっとも近い映画でいえばの「天使にラブソングを」でしょうけど、認知度とか人気ではあっちに軍配かもしれませんが、この作品もなかなかのコメディです。確かに、主演の二人、ウーピー・ゴールドバーグVSジャック・ブラックで、本物のコメディアンでいい勝負ですが、この作品のジャック・ブラックの個性とパワーは半端ないですね。
ロックへの賛美
設定に少々無理があるのですが、そんなことに関係なくストーリーが(あるいはジャック・ブラックが)推進していきます。音楽映画としても見られるし、ここまで一生懸命する、命をかけるというジャック・ブラックに感動さえ覚えます。
ロックの前では子供も大人もなく、公平に扱うというジャックの振る舞いにも好感が持てます。ロックの前では相手への思いやりも生まれる(役割分担を通して)という教育論にも引っ掛けていますね。
そもそもはジャックも、お金さえ入ればいいといいかげんに勤めていたところ、生徒達が音楽の時間にクラシックを聴くのを見て、彼らをロックに導きたいという動機が燃え上がるのですね。上流私立学校でのロック教育。最後は父兄や先生にばれながらも、賞賛を受けるというオチがついて。ロックにレスペクトした内容です。
ジャック・ブラックの才能満載
とにかくジャック・ブラックはすばらしい。彼は自分がどういう演技を、どういう表情をすれば面白いか、笑ってもらえるかというのを完全に心得ていますね。自分丸い目、丸い顎、体型、すべてを生かして演技をします。ベックのプロモーションビデオや、ジョージクルーニーとのエスプレッソの宣伝、その他の作品で見ても、見るだけでおかしいという天才的なコメディアン外見をしていますよね?そういった意味では得している部分もありますが、なんといっても演技の才能がすばらしい。
特に表情付け、体の動かし方、喋り方、などなど枚挙にいとまがないです。しかもでしゃばり過ぎてないところもいい。ウザく感じたり、汚く感じたりとかいうことが一切ない。ただ、笑える。彼一本だけを主役にするという映画は他にあまりないような気がしますが残念です。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)