F15戦闘機の格好良さ
メカニカルデザイン
「超時空要塞マクロス」を語るうえで、メカニカルデザインの秀逸さは外せないのではないでしょうか。
アメリカ合衆国の戦闘機F15をモチーフとしたデザインは、デザインを担当した方のセンスを感じられる部分だと思います。もともと、F15という戦闘機自体が素晴らしいものだといえます。戦闘機といえば、F15を想像する方は多いのではないでしょうか。洋画タイトルである「トップガン」でお馴染みの戦闘機です。
それを、ロボットアニメに流用するアイデアと着眼点が、さらに輪をかけて素晴らしいのではないでしょうか。そして、人型ロボットだけではない、「超時空要塞マクロス」特有の戦闘スタイルも発案されました。戦闘機の形態と、人型ロボットの形態の、中間にあたるバルキリーと呼ばれる形態は、「超時空要塞マクロス」ならではのものだと思います。
戦闘機形態なら戦闘機形態、人型ロボット形態なら人型ロボット形態と分けてしまうのが、一般的な考えだと思うのです。戦闘機形態から、中途半端に足と手を出した形態を、戦闘スタイルの一つとして確立させたのも凄い発想だと思います。
なかなか、他のロボットアニメでは、お目にかかれない発想で感動してしまいます。
そして、スカル小隊の象徴とも呼べるドクロマークも、「ちょい悪」感があってお洒落です。
一見すると、戦闘機にドクロマークは似合わないように思います。また、撃墜されることをイメージするドクロマークと戦闘機の組み合わせは相性が悪いといえます。しかし、実際に組み合わせてみると、すごく格好良く、「超時空要塞マクロス」というアニメ作品そのものの象徴といえるほどのインパクトがあります。
メカニカルデザインを担当した方は、本当に「天才」といえるレベルの才能を兼ね備えた方だと思います。
実弾武装へのこだわり
また、F15という戦闘機をモチーフにしただけあって、実弾装備へのこだわりも感じられる部分です。
「機動戦士ガンダム」においてはビーム兵器に傾注しており、実弾兵器は前世代の武装といった位置付けだったように思います。古いモビルスーツであるザクⅡやグフにおいては、実弾兵器が主武装でした。しかし、アニメ本編の中で、モビルスーツ開発が進んでいき、主武装が実弾武装からビーム装備に変わっていきました。
しかし、「超時空要塞マクロス」においては、実弾兵器にこだわり、それを貫いたように感じます。
ただ、実弾兵器にこだわっただけではなく、追尾ミサイルを格好良く描かれていたことが印象的です。無数のミサイルを一斉発射する格好良さは、他ロボットアニメ作品では見受けられない描写のように思えます。
そして、その無数のミサイルを戦闘機形態で、上手く潜り抜けるのも、「超時空要塞マクロス」ならではの格好良さではないでしょうか。実弾兵器の描き方が、とても上手いのだと思います。この部分はメカニカルデザインではなく、アニメーションの上手さだといえるのだと思います。
一所懸命に作画をした方の苦労を垣間見ることができるのではないでしょうか。
「DOG FIGHT」
犬同士の喧嘩ではありません(笑
「DOG FIGHT」の本来の意味は以下の通りです。
格闘戦は、航空戦において、戦闘機同士が互いに機関銃・機関砲または短射程空対空ミサイルの射界に相手を捉えるために機動しながら行う空中戦闘。 ドッグファイトの呼称は、戦闘機の近接戦闘では相手を追尾する態勢が有利であり、その姿が犬同士が尻尾を追いかけ合う姿に似ていることに由来する。(参照元:Wikipedia)
まさに、「超時空要塞マクロス」、そして、戦闘機たちの戦闘の在り様を表現した言葉だと思います。
そして、「超時空要塞マクロス」における「DOG FIGHT」とは、戦闘シーンで流れるBGMのことを指します。
この「DOG FIGHT」という曲は、とても有名なようです。「DOG FIGHT」のキーワードだけでgoogle検索すると、一発でマクロスの存在に辿り着くことができます。「超時空要塞マクロス」といえば、有名な曲目が多いことで有名です。しかし、BGMである「DOG FIGHT」の存在も外せないのではないでしょうか。
戦闘機の飛行をイメージした緩やかな曲風でありながら、戦闘に切り替わっていく曲風は「超時空要塞マクロス」の印象に合致しています。また、このBGMの存在のおかげで、「超時空要塞マクロス」の戦闘シーンを観ているだけで、テンションが上がってきます。
歌とは何だろう
ロボットアニメというジャンルでありながら、アイドルや歌という要素を強く打ち出しているのが、「超時空要塞マクロス」の特徴だといえます。
特に、歌という要素は、「文化」という言葉を置き換えたものと考えることができます。改めて、アニメ本編を観ていると、「文化」とは大切なものだと感じることができます。普段は「文化」というものを意識しないで生活していると思うのです。言ってみれば、「空気」のようなものなのかもしれません。息とは無意識でされるものであり、「空気」の重要性をあまり認識することは少ないと思うのです。しかし、「空気」が無ければ、当然のことながら人間は生きていけません。
文化においても、身近な存在であり、無意識に触れていることで重要性を普段から認識しないで生活しています。
きっと、文化という存在が無くなれば、生活に及ぼす影響は生死の問題ぐらい大きいものなのかもしれません。そんな有難みを感じずに生活しているので、失われるということは恐ろしいことなのだと思います。その重要性を、改めて感じさせてくれたのが「超時空要塞マクロス」というアニメ作品です。
便利なものであり、心を豊かにしてくれるものなのが文化なのでしょう。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)