タイトルとは真逆のオードリーのかわいさ満載のコメディ - 昼下りの情事の感想

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タイトルとは真逆のオードリーのかわいさ満載のコメディ

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
3.5

目次

唐突に見える設定

とっかかりの設定は考えてみれば、非常に唐突な感じがします。私立探偵に依頼した男が、調査の結果、妻の浮気を知り、妻の浮気相手を殺すということを耳にして、これを止めようと動き始める私立探偵の娘。これが物語の発端ですが、普通にぱっと浮かぶようなアイディアとは思えない。すなわち、結末の方から決まって、そもそもの設定が決まっていったという風に思えまず。。

オードリーのかわいさ

オードリー・ヘッブバーンのかわいさといったらないですね。純粋、無邪気、いたずらな表情、真剣な表情、笑顔、とどれをとっても、私たちの心をわしづかみにする感じです。一方の、ゲーリー・クーパーは格好よくはありますが、少女のように若々しいオードリーに比べるとちょっと年を取り過ぎている感は否めないですね。ただ、リッツホテルのスイートルームに泊まる大富豪で食事は部屋に運ばせ、専用の時部シー楽団を持っていて、女性好きでプレイボーイという設定は、クーパーにぴったりです。粋な台詞やしぐさははまっています。オードリーをも口説くわけですが、嫌みが全くなく格好いいです。

笑わせるジプシーの楽団

魅惑の曲「ファッシネーション」がテーマ曲として効果的に流れ、ジプシーの楽団が、クーパーのサウナにもどこにでも付いてくるというのが笑わせます。フラナガンが女性を口説くとき、彼らにいつも演奏させるわけで、いつでも連れていくという発想がとても面白かった。

印象的な台詞やシーンが見事

また、オードリーが(ゲーリー・クーパーに合わせようと背伸びした、架空の)男性遍歴を語る中に、「A」、「Aの運転手」「9~15は自転車旅行の学生グループ」など思わせぶりで、こじゃれた言い方をして、とてもユーモアが効いています。オードリーが録音した(クーパーがビジネスについて録音するという行為が前振りに出てくる。)テープをずっと聞きながら、クーパーが酔いつぶれていく(オードリーのことを思いながら)というシーンも見事です。
最後の駅のシーンもヘッブバーンはとても愛らしいですね。別れを惜しみながらもまだ強がっている。それを見送る父親のやさしい笑顔。
最高傑作というわけではありませんが、映画鑑賞力というのをはぐくむ上でも、また、ストーリーの作り方を考える上でも、大変参考になった映画です。
ゲーリー・クーパーが父親に依頼をしてきたあと、父親が調査を進めるうちに、それが娘とわかるという構成にすることもでき、そこで笑いも取ることができたかもしれないですが、あっさりと父親にわかってしまうところも、どっちがよかったのかなあと思う所があったりもします。

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