沈黙は最も強い嘆きなんだ
エリゼオ・オレフィチエ
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ライフ・イズ・ビューティフルは1997年に公開されたイタリア映画である。カンヌ国際映画祭では審査員グランプリを受賞、第71回米国アカデミー賞でも作品賞含め7部門にノミネートされ、主演男優賞をはじめ3つの賞を受賞している等、高評価を受けた映画作品である。 舞台は第二次世界大戦下の北イタリアであり、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害をユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた。主人公であるグイドは、父、息子のジョズエとともに強制収容所へと送還されてしまう。戦争の何たるかを理解できない幼いジョズエは母と引き離されたことから大きな不安に陥るが、そこで父であるグイドがジョズエを励ますべく一つの大きな嘘をついた。強制収容所での劣悪な生活も「これはすべてゲームなんだ」と言い聞かせるグイドのおかげで、ジョズエにとっては楽しいゲームへと様変わりした。 ロベルト・ベニーニは本作で監督・脚本・主役を務め、その評価は世界的に高く、「90年代のチャップリン」と絶賛された。
ロベルト・ベニーニが監督・脚本と主演を兼ねた、ナチスの強制収容所に送られたユダヤ系イタリア人親子の物語。収容所内の描写が静かで、直接的な表現は押さえられているにもかかわらず、ヘビーです。父・グイドの行動がとくに喜劇的に表現されている嫌いはありますが、そこにいた人々は常にどこかに押し込められていたわけではなく、そこにも社会があり、さまざまな取引や葛藤などがあったことは、フランクルの「夜と霧」などを彷彿とさせます。ラストに向かっての若干唐突に感じられる流れも、戦況によって簡単に投擲されたり命を奪われたりした人達の立場を、むしろリアルにあぶり出しているように思います。
確かに重い内容ですが、観終わった後に妙に心が温かくなるお話だと思います。 内容が想像つくだけに、観るのを躊躇していましたが、やはり自分が生きていく人生において、観てよかったなと思わせてくれた作品です。 どんな、苦しい状況でもそれに負けなかった主人公。 負けないというのは、すこし違うかもしれません。 あの中で、確かに彼は自分の人生を精一杯生き、そして楽しんでいました。 人間は、環境ではなく自分の心次第で幸せにも不幸にもなるということを、彼に教わった気がします。 彼にあったのは、「愛」だと思います。 人を愛する心と、楽しい心を忘れずに生きた彼をみて、私もいつでも前を向き楽しい心で人に愛情を与えられる人になれたらいいなって思いました。 戦争ものだから、収容所の話だからと躊躇せず、この物語の本当の深い部分を感じるために、是非一度観てみてください。
きっと世界〇大感動映画とかを挙げると、大方の人が挙げるであろう世界を代表する感動映画ライフ・イズ・ビューティフル。確かにエンディングは感動の嵐ですが、それはそこまでのストーリーが重く苦しいから反動で感動も倍増しているように思えます。ユダヤ人に対する迫害行為がストーリーの主軸にあるのですが、ほんの数十年前の話とは到底思えないほど、日本人は平和ボケしているのだと実感してしまうほど目を覆いたくなるような光景が未だに脳裏に残っています。ただ、そんな暗い歴史の話なので、映像は全体的に暗く重苦しい空気になります。しかし、脳裏に残すだけ覚えておくべき過去の歴史であるので、学校の授業などで観せてもよいのではないかと思います。きっと他の方のレビューと同じような内容になってしまうかもしれませんが、生きているという事のありがたみを再確認でき、タイトルどおり生きているって素晴らしいと思えてくる超良作です。この感想を読む
エリゼオ・オレフィチエ
戦時色が日に日に濃くなる北イタリアの田舎町。ユダヤ人に対する迫害行為が行われる中で主人公グイドへエリゼオおじさんの言葉。
グイド・オレフィチエ
ナチスによりユダヤ人強制収容所へ送られ、母ドーラと離れ離れになったジョズエ。不安がる息子ジョズエに主人公グイドは嘘をつく。