面白い話は凄いセンスを感じさせる
目次
アニメ全体的なコメント
全体的に手抜き感が拭えません。約半数の話が、シリーズ1~3の再放送で構成されているのは、如何なものなのでしょうか。再放送があったり、新作ネタがあったり、入り乱れている状況なので、再放送だった時のガッカリ感が強いです。確かに再放送の話は秀逸なものを選ばれていますが、「ギャグマンガ日和+」というシリーズそのものが中途半端に思えてしまい、残念なポイントだと思います。
しかし、オープニング曲は毎回、奇抜なアイデアを打ち出してくる、と感心させられます。特に今回の「ギャグマンガ日和+」においては、徐々にキーが上がっていくのと、息継ぎのタイミングがないほど畳み掛けてくる感じがして、印象に残ります。これはカラオケなどで歌うのは無理でしょう、と思えます。酸欠を引き起こしそうですし、キーが高過ぎて、こめかみ辺りの血管が切れてしまうのではないか、危惧してしまいます。実際に歌手の方も、苦しそうに歌い上げているように感じます。そんな曲で、そんな歌い方だから、インパクトがあり、印象によく残るだと思います。
そして、これまでのオープニング曲も奇抜なアイデアを盛り込まれていたことから、今回の作り込みも確信犯なのであろう、と想像できます。色んなアイデアをよくもこれだけ捻り出すものだと感心させられます。
また、聖徳太子や松尾芭蕉、うさ美ちゃんシリーズの新ネタは盛り込まれているので、再放送が半数を占めながら、ファンの期待に応えるという部分では最低限のところは押さえていると思います。
ただ、他の新ネタの話においては、当り外れの振れ幅が大きいと思います。面白い話は、相変わらず笑わせてくれるし、つまらない話は非常につまらないです。面白いアイデアを生み続けるのは大変なことだと思いますが、息切れ感が出てきたように感じました。
ルノワールVSセザンヌ
第一話だけあって、この話はセンスと原作者特有の狂気が感じられて面白いです。ルノワールもセザンヌも子供っぽい部分が強調され、また狙いすました適当さが面白さに輪をかけています。ルノワールとセザンヌの子どもの喧嘩のようなやりとりも面白いですが、他の画家の扱いが酷過ぎることも笑いになっていて最高です。
銭湯に行こう
正直、血の気がひいて気持ち悪さ全開の話でした。同性の肌が重なる気持ち悪さや、汗など他人の分泌物の気持ち悪さなど、幾種類もの気持ち悪さを凝縮させています。これは、面白いという次元ではなく、ただただ気持ち悪くて吐きそうになりました。
新撰組〜池田屋事件〜
意味が分からなさ全開の話でした。近藤さん以外の新撰組メンバーが不思議な姿をしていますが、歴史ファンから怒られる内容でしょうね。ネタがシュール過ぎて、ついていけない、理解できない感が強いです。
唯一、土方さん(球体)が転がって、ボウリングのピンを吹っ飛ばす場面では笑ってしまいました。
ただ、出オチ感が強くて、それ以上に面白みを感じられない話だと感じました。
巨重戦士メンタリオン
面白いのか、面白くないのか、微妙な話だったように思います。ピュアエネルギーというのが重要な要素になっていますが、全然ピュアじゃない、という笑いなのだと思います。
やたらと登場人物は自分自身がピュアであることを言葉巧みにアピールしますが、全然、行動が伴っていなく、卑怯な手段や行動があることで笑いを狙っています。しかし、狙いが見え見えなので、大きな面白みになっていないのが残念なポイントに思え、面白さに悩んでしまう話に感じます。
親友は狼男
この話は面白くて好きです。意味の分からないシュールな笑いと、想像を裏切る笑いの強弱バランスがとても良いと思います。
冒頭で、主人公が転んで電柱に頭をぶつけ流血しますが、途中からその伏線が放置プレイになります。また、狼男が案外、弱くてボコボコにされている様子、絶交された友情が軽い言葉のやりとりで簡単に修復されたり、親友の弟と親友になったりと展開が早いうえに予想をひとつ超えてくるように思います。1時間にこだわる理由も明らかにならない部分はシュールですし、色んな笑い要素を捻じ込んでくる感じが良いと思います。
メカマツオ
松尾芭蕉と弟子の関係が逆転しているのが、このシリーズの面白い部分だと思います。松尾芭蕉は壊れ過ぎでしょう、そして、弟子は極悪過ぎでしょう。松尾芭蕉のボケが意味分からないことが多いこと、弟子のツッコミが冷酷できついことで笑えてしまいます。
「北斗の拳」のケンシロウが悪党と戦う際に一切の容赦や情けをかけない面白さが、この話には通ずるものがあるように思うのです。
ラブソングを君に
少し画風が違う話で、登場人物はイケメン、美人ばかりなのが面白いポイントです。主人公の新曲シングルCDですが、良い歌と思わせておいて、二曲目に収録されているカップリング曲に焦点が当たっています。その形容がどんどん酷くなること、聞いたことによる被害がどんどん大きくなることで笑いを狙っています。
少しこれまでのものと画風だけではなく、作風も違うような気がして好きな話です。
なめられペリー
この話って、松尾芭蕉シリーズと丸かぶりしているように思うのです。松尾芭蕉シリーズと違った要素は感じられないし、松尾芭蕉シリーズを超えるものでもないように感じます。
狂暴エイリアン
ネギシくんが、どこまでひどい目にあっても死なない不死身さが笑える部分です。仲間も案外、簡単に見捨てるのが、本筋を彩る調味料のような笑いになっています。最後に、簡単なことでネギシくんが死んでしまっていたら面白かったと思うのですが、流石に、意図的にそこまで酷い扱いはしなかったのでしょう。
富士山
シリーズお馴染みの聖徳太子シリーズですが、サブタイトルに唯一、聖徳太子の名前が入っていない話になります。本編が始まって、聖徳太子シリーズだと驚かされました。
相変わらず、聖徳太子と小野妹子のやりとりは面白く、「ギャグマンガ日和」という作品を通して、一位二位を争う面白さだと思います。なんでもない斜面で、物理的に有り得ない滑り落ち方するのが面白いですね。また、脚力強靭な登場人物の扱いが適当で可哀そうな扱いです。ただ、聖徳太子が女性にモテないという部分に着地するための存在で、その放り投げ方に笑えてしまいます。
名探偵なので!うさみちゃん
聖徳太子の話で、「ギャグマンガ日和」という作品を通して、一位二位を争う面白さと述べましたが、聖徳太子と争うのは、うさ美ちゃんだと思います。
今回は、ただでさえ短い時間に3つの話を捻じ込んできています。このシリーズで面白いのは、うさ美ちゃんの毒舌や、毎回決まった結末だったりすると思います。しかし、曲者であるクマ吉くんのインパクトと言い訳の面白さは相当なものです。どんどんスケベ・変態という裏側をオープンにしてきているのが怖くて、最高に面白いです。
陰陽師物語
幽霊・お化けが嫌いな陰陽師と、サラリーマンの式神(?)たちの組み合わせに、少し無理があるように感じた話です。けっきょく最後まで噛み合うことがなかったように思います。
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