ペイル・コクーンのあらすじ・作品解説
「自然破壊によって荒廃した未来の社会。人類は汚染された地上から地下に逃げ延びて生きながらえていた。 過去の人類の記録を発掘し復元をする、記録発掘局に勤める主人公はある動画の復元に成功する。 そこに記録されていたのは歌を歌うある女性の姿だったが…」 「ペイル・コクーン」は吉浦康裕による個人製作のアニメ(2005年公開。本編23分)。共同制作はディレクションズ。音楽はムーンライダースの岡田徹。劇中歌の作詞を覚和歌子が担当している。吉浦氏の最後の個人製作であり、最初の商業作品でもある。製作当時の2004年は新海誠の「ほしのこえ」など個人製作アニメーションが認知されてきた時期であり、吉浦氏の個人制作の集大成として制作されることとなった。3DCGとロトスコープに近い手法による手描き作画を駆使して約1年の期間を経て完成。 DVDには特典映像として水のコトバ(2003年製作)なども収録されている。本編の内容を補完する意味で、特典映像の「もう一つの発掘記録」もあわせて観る事をお奨めしたい。
ペイル・コクーンの評価
ペイル・コクーンの感想
一切の手抜きなしで作り込まれた作品
映像技術の高さまずは、本編を観始めて、その美しく綺麗な映像に魅了されます。短編アニメであり、OVA作品という位置付けのアニメです。まず、その点で、観る側に驚きを感じさせるレベルだと感じられます。そして、アニメ本編に、一気に引き込まれてしまいます。90分ほどの劇場版アニメと変わらないクオリティーに驚かされ、意外性を感じさせることで、本編に引き込もうとする意図があると考えられます。そして、23分という時間尺においても、人間の集中力の持続する枠内に納められています。一般的には、人間の持続させられる集中力は15分間隔とされているようです。そして、次の周期に乗ることで長い時間の集中もできるような構造になっているようです。しかし、15分を周期として区切られるようにできているのが、人間の脳といわれています。学者や研究者によって、諸説あるのかもしれませんが、一般的な考え方として定説のようです。さすがに...この感想を読む