怪物の起原 - ドラキュラの感想

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怪物の起原

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
4.0
音楽
5.0
演出
3.5

わたしたちが日常で目にするオールバックに黒いマントのドラキュラ像の起源はそう昔のことではなく、名優ベラ・ルゴシによる怪演からきたものである。

そんなビジュアルの要素も取り入れながら、彼はなぜ生き血をすするようにならねばならなかったのかを紐解いていくストーリー構成になっている。

そもそも彼は人の子であった。戦争では軍隊を率い、名将の誉れも高く、また一家の主としても愛する妻を持ちしあわせに暮らしていた。はずであった。

妻を失い変貌を遂げてからの時間がとてつもなく長い。

そしてロンドンへ。亡き妻の面影を見てしまったとき、歯車が狂い出す。

すでにこの時点でピュグマリオン臭がプンプンである。

面影は面影であり本人ではない、ということを、人はいつになったら受け入れられるようになるのだろうか。

重ねられた方は人格も無視されたがちで、たまったもんじゃない。

ストックホルム症候群に近い愛の発露に、美しさを感じると共に非常にゾワゾワした。

衣装は石岡瑛子。エリマキトカゲのようなネグリジェ、筋繊維のような甲冑がたまらない。

美女と野獣、華麗なるギャツビー、ピュグマリオン伝説、源氏物語に通じるものを感じた。

はたして、都合よく作り替えようとしていたのは男だったのか、女だったのか……。

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