ガンダムシリーズでもっともブッ飛んだ作品 - 機動武闘伝Gガンダム[ジー]の感想

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機動武闘伝Gガンダム[ジー]

4.334.33
映像
4.25
ストーリー
4.25
キャラクター
4.42
声優
4.25
音楽
4.25
感想数
6
観た人
11

ガンダムシリーズでもっともブッ飛んだ作品

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

ガンダムじゃなくて良かった気がする作品

一部ファンからは忌み嫌われている作品ですよね。とくに宇宙世紀シリーズのガンダムファンからすると、ガンダムとは呼べない作品に仕上がっています。それでも、私自身はこの作品はガンダムであることに面白みがあるように思っています。アニメ作品としては、非常に面白い内容で、この作品のファンも実は多いです。

ガンダムはシリーズを通して「戦争」を描いており、その中での人間模様や壊れていく人格、人の生死を描いたものだといえます。しかしこの作品、機動武闘伝Gガンダムが描いている部分は、それまでのガンダムと全然違いますよね。その後に制作されているガンダムシリーズも、このGガンダムと似た要素を描くものはないと思っています。

それだけこの作品はガンダムシリーズの中で、唯一無二の存在であるといえます。

私が思うに、ガンダムシリーズが全て終わった後の話だったらと思うととてもいいと思うのです。現代社会では、戦争を身近に感じることが少ないように思います。確かに現代社会でも中東などでは、戦争は続いており、未だに落ち着く様相が見えません。しかし第二次世界大戦を最後に人類の意識は変わったように思っています。その象徴がオリンピックに代表されるようなスポーツ競技だと思うのです。その国、その地区を代表する選手がスポーツという競技の中で、競って正々堂々と闘うことは、戦争中では絶対に有り得ないでしょう。平和の象徴ともいえると思います。国家間の全ての争いごとなど、アニメ作品の設定・背景になっている通り、スポーツやガンダムファイトで決着するのであればどれだけ平和的なのでしょうね。

ガンダムという「戦争」を描いた作品・シリーズの中で、行き着いた結論がガンダムファイトなのであれば、それは素晴らしいことのように思います。そんなことを考えさせられる作品なので、この作品はガンダムシリーズであって良かったと思うのであり、唯一無二の作品で良いと思うのです。

スポ根テイストがシリーズ中で斬新な部分

ガンダムファイトという、スポーツ色が強い競技が題材となっていることもあり、努力や根性といった精神論が強く打ち出されているのが印象的です。また各地・各国を代表するガンダムという設定は、「鉄人28号FX」というアニメ作品と類似しており、全体的な雰囲気も似ているように思います。製作者側からのメッセージは全然違うようですが、話の展開は途中まですごく似ています。

また各国を代表するという性格上、シリーズ最多と呼べる種類のガンダムが登場するのではないでしょうか。逆にガンダム以外のモビルスーツ、モビルアーマー、モビルファイターのほとんど存在しませんね。また女性色を意識したガンダムなど、設定やメカデザインも異質で特徴的です。この辺りも、宇宙世紀シリーズのガンダムファンからすると毛嫌いされるポイントのひとつのように思います。

またモビルファイターというガンダムに搭載されている、モビルトレースシステムも斬新ですね。ガンダムらしくない設定の真骨頂といえます。操縦技術もいらないし、搭乗するパイロットは格闘家で、コクピットの中で動くことによりガンダム自身がその動きをそのまま再現するというのは「なんでもあり」感が全開のように思います。

衝撃的なラストシーンに唖然!

物語の冒頭は、スポ根アニメの展開をしていきます。しかし主人公の闘う理由など明らかになってくると、家族や師匠との確執など、人間関係のドロドロした部分を描いていくことが中心になっていく気がします。戦争の中での展開ではないので、サッと見通すとガンダムらしさを感じないように思います。しかし中盤よりの確執を描く場面を振り返ると、ドロドロとした人間関係を描いている場面が少しだけガンダムらしいように感じさせてくれます。

ドロドロとした人間関係や葛藤など、どのような終わり方をさせるのか、とても気になってきます。

結末は容易に想像できても、そこに至るまでのプロセスをどのように描くのか、どのように演出するのか、ワクワクしてきます。でも、それは当り前に終わってしまう気がして、非常に「つまらない終り方」を予想させるものでもあります。

「石破ラブラブ天驚拳!」

最後の最後に、あまり作品の中で焦点があたることがなかった恋愛要素を打ち出してきます。物語の展開に「つまらない終り方」を予想していましが、ド肝を抜かれる展開が待っています。最後の最後に、こんな奇襲を仕掛けてくるのが、すごく斬新でよく分からない複雑な感情にさせてくれます。 

最後の最後まで、見通し振り返った感想として、物語の終始「なんでもあり」感を非常に強く感じました。でもそれはそれまでのガンダムシリーズのイメージ、思い込みがあるからです。それを良い意味でも悪い意味でも、ブッ壊す作品なのが「機動武闘伝Gガンダム」なのだと思います。

ガンダムシリーズのイメージや思い込み、刷り込みがあるから、この作品の面白さが際立つように思うのです。

この作品はガンダムであるからこそ良いのだと思いますし、私はこの作品がとても大好きで、気に入っています。

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