青い文学シリーズのあらすじ・作品解説
青い文学シリーズは、太宰治生誕100周年という節目に制作された、有名日本文学をアニメ化した作品である。2009年10月から12月まで日本テレビで放送された作品で、全12話からなるこのアニメは「人間失格」「こゝろ」「桜の森の満開の下」「蜘蛛の糸」「地獄変」をそれぞれオムニバス形式で放送されている。 青い文学シリーズは、週刊少年ジャンプに連載を持つ有名漫画家がキャラクターデザインを行っている。「DEATH NOTE」の小畑健、「BLEACH」の久保帯人、「テニスの王子様」の許斐剛という豪華な顔ぶれである。また各作品のナビゲーターと主人公の声優を俳優の堺雅人1人が全て行うという特異な作品でもある。 日本文学を元にしている作品ではあるが、脚本は原作とは設定などが大きく変更されている。それに伴い、結末も原作に忠実ではない面が多数見受けられる。 また、人間失格はアニメ版全4話をさらに再構成し、2009年12月に劇場版が公開された。
青い文学シリーズの評価
青い文学シリーズの感想
日本文学のアニメ化
アニメ化による日本文学復興言わずと知れた日本文学の名作、太宰治『人間失格』や夏目漱石『こころ』などの文学作品を、大胆にアニメ化した作品。文学ファンも納得のディティールとなっていて、実写化とはまた違う映像美、演出美を楽しめる。人間失格の雪降るシーンや、こころのKの人物描写、小説といえば頭のなかで楽しむものだと思いがちだが、映像があることによって自分が想像していたのとは違う登場人物の姿、葛藤の形が見られて、新鮮な面白みが感じられる。声優の演技も素晴らしく、まるで本当にそこに存在しているよう、小説原作ではなく、新しいオリジナルの作品にさえ思えるクオリティに仕上がっていて、小説のアニメ化に難色を示す人でも安心して見ることの出来る内容となっている。いい意味で古典的。古き良き日本文学と、近年海外からの評価も高いアニメ芸術との融合体。小説の描写を超える演出原作を忠実に再現することがアニメ化の必須条件に...この感想を読む