つらい記憶の乗り越え方 - エターナル・サンシャインの感想

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映画レビュー数 5,784件

つらい記憶の乗り越え方

4.04.0
映像
3.5
脚本
4.0
キャスト
3.0
音楽
3.0
演出
3.5

数年前に途中でホラーっぽくて怖くなって、観るの中断してたんだけど、過去の私はどこでそんな怖く感じたんだろうと不思議に思いました。まあ、確かに、施術中にちょっといちゃいちゃしちゃって失敗しそうになるところはヒヤヒヤして、見ていてホラーだったかな笑

失恋があまりにもつらいから病院で記憶を消すっていう男の短絡さはコメディぽく感じられる。そして、そこからさらにいざ消そうと思うと愛し合った思い出が蘇り、それだけは残したいと奔走する様子は自業自得でまさにコメディっぽく映る。だけど、つらい記憶は消して、愛し合ってた記憶だけ残すという記憶の清算は、意外と人間誰しもが行っていることのような気もする。もしかしたら失恋してつらい状態のとき、脳内では、何か大きな力が記憶を消そうとする中、小さいミニチュアの自分が愛し合ってた記憶だけは残そうと必死で逃げたり隠れたりしていて、その結果いい思い出だけが残るようになっているのかもしれない…なーんてことを考えてしまいました。ジャンル分けしたらきっとこれはラブコメということになるんだろうと思うけど、それよりはちょっと深い、もっと人間の無意識的な部分について考えさせられる内容でした。

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他のレビュアーの感想・評価

エターナル・サンシャイン

この映画はジムキャリーとケイトウィンスレットの2人が主人公とヒロイン役を演じていることがまず素晴らしい。彼らでなければこの映画のコメディ感、悲壮感、皮肉感は出ないと思う。エターナルサンシャイン技術という、大切な、しかし忘れたい存在のみを頭の中から消し去ることができるという、現代には絶対にない空想の治療法を主人公とヒロインが受ける事からしてまずおもしろい。思い出の品(これまた滑稽なおもちゃやマグカップなど)を主人公が真面目な顔をして持ってきて、治療の際はそれを見ながら涙する。そしていよいよ本治療の夜、個性的な若い研究員3人が主人公の部屋に忍び込んで治療する、、、と思いきや、主人公の部屋でどんちゃん騒ぎをする、というのもまた面白い!研究員が飲んで踊ってを繰り返す中、片手間で主人公を治療する。その3人のテンションとは裏腹に、これまた主人公は真剣に治療を受ける(眠りながら)。主人公の夢の中ではヒロイン...この感想を読む

4.04.0
  • hearlohearlo
  • 58view
  • 604文字

ミシェル・ゴンドリーの世界観が炸裂した、「恋と記憶」にまつわる絵本のような映画

まさかのケイト・ウィンスレット出演作。ジム・キャリーが主人公というのも不思議なのですが、全体的に漂う不思議な配役も、すべてミシェル・ゴンドリーならではなの世界観のため、と思えます。チャーリー・カウフマンが脚本に参加したというところで、作品がアート寄り過ぎない、バランスのとれたものになったのだと思います(ミシェルが炸裂すると、恋愛睡眠のすすめのようなものができるのだと思う)。脚本は本当におもしろい。作品も本当におもしろいし、出ている人たちも美しくて観ているだけで楽しい。ですが、あまりにも世界から乖離した発想の作品のため、話に入り込むのには多少勇気と時間がかかるかなぁ、と思います。夜中とか、一人で日曜日の雨の夕方とかに観るとおもしろいかもしれません。あと、失恋した人が観ると、いい意味でも悪い意味でも、おぉ・・・と感じるところがあるかもしれません。お気に入りのシーンは、家が壊れていくラストで...この感想を読む

4.04.0
  • iwkiwk
  • 92view
  • 615文字

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