バタフライ・エフェクトのあらすじ・作品解説
バタフライ・エフェクトは、2004年に制作・公開されたアメリカ映画で、全米初登場第1位を記録したサスペンス映画である。蝶の羽ばたきが地球の裏側で竜巻を起こすというバタフライ効果を題材にした作品。主演のアシュトン・カッチャーは製作総指揮も務めた。 エヴァンは、時々記憶を無くすことがある少年で、脳の検査を受けるも異常は見つからず、精神科医の勧めで日記をつけることを習慣にしていた。大学生になったエヴァンは、記憶喪失も無くなり平穏な毎日を送っていたが、ふと少年時代の日記を読み返した時、記憶を失っていたその時点に戻っていた。しかもその過去の出来事を変えることができるのだった。そして、幼馴染の少女ケイリーが悲惨な人生を送っていることを知り、過去の忌まわしい出来事を修正することで、ケイリーの人生を救おうとする。しかし、過去に修正を加えて現実に目覚めると、自分や幼馴染の人生が思わぬ方向に狂わされている。そして何度も過去の修正を試みるのだが・・・。 エンディングは、公開バーションの他に3パターン作られている。
バタフライ・エフェクトの評価
バタフライ・エフェクトの感想
最後まで見ないとわからないおもしろさ
記憶喪失になる主人公記憶喪失になるきっかけは通常強いストレスを感じた時と言われています。エヴァンも記憶を失っている間にひどくストレスを感じるようなことが起こっていました。そのため記憶を失ったのはその間に起こった事件が原因だと考えられていました。エヴァンは自分の記憶の解明のために大学では心理学を専攻しています。これだけだと悲惨な過去をもつ主人公というだけになってしまいますが、エヴァンの記憶の失い方は通常とは異なっていて、退行催眠をかけても記憶がつながらないのです。本当に欠落しているという感じです。記憶を失っていた時が大事なキーワードになっています。まず最初はトミーとケイリーの家の地下室、次に実の父に面会した時、郵便受けの爆弾、飼い犬がトミーによって殺された時です。その間に起こった出来事はトミー・レニー・ケイリーにとっても思い出したくない過去らしく、誰に聞いても教えてくれません。記憶がない...この感想を読む
風が吹いたら桶屋が儲かる
よくあるタイムパラドックス系の話ですが、この手の作品はコメディになりがちなところを、「バタフライ・エフェクト」はちょっとダークな仕上がりになっていたと思います。自分がタイムスリップする能力があることに気付いて、何度も過去に戻って、過去を修正しようとするのですが、必ず自分の周りの誰かが不幸になってしまうという悲しい話。エンディングが劇場公開版のエンディングと、ディレクターズカット版(これがオリジナル)のエンディング、ハリウッド的ハッピーエンディングなどパターンが幾つかあり、DVDにも収録されています。確かDC版はセルDVDのみだった気がしますが。どの終わり方が一番自分にしっくり来るのか、見比べてみるのもいいかもしれません。
タイムリープの新たな代名詞
いわゆるタイムリープものの作品ですが、全体に流れる暗い雰囲気、胸を締め付けるキャラクターたちの運命、そして衝撃のラストシーンなど、話が進むにつれて飽きることなく物語へぐいぐいと引き込まれていく作品に仕上がっています。シナリオの出来は非常に人気が高く、若者を中心にカルト的支持を経て、現在も展開が続くこのシリーズですが、やはりこの一作目が最高の出来だといえるかもしれません。演出面も、タイムリープの表現や主人公の運命を絶望的に描く技術など、秀逸です。役者たちの演技も素晴らしく、過去が変わり世界が変わった先の登場人物の微妙または大幅な変化も、うまく演じ分けています。エンディングにOasisが流れるというのも、世界観に合っていて非常にいい。人気に反しない名作だと思います。