アンダーグラウンドのあらすじ・作品解説
アンダーグラウンドは、1995年10月25日にフランスで公開され日本では1996年4月20日に公開された、フランス・ドイツ・ハンガリー・ユーゴスラビア・ブルガリアの合作映画である。1995年第48回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」受賞している。 1941年に始まった旧ユーゴスラビアの戦いと動乱の歴史を、マルコとクロの2人の男を主として描いた映画である。 1941年ナチス・ドイツに侵略されたユーゴ王国。パルチザンにクロをと一緒に参加したマルコは弟やクロの妻をかくまうために祖父の地下室へ案内する。侵略により重傷を負ってしまったクロも地下にかくまうことになり…。 監督:エミール・クストリッア、脚本:デュシャン・コヴァチェヴィッチ/エミール・クストリッア、製作総指揮:ピエール・スペングラーが担当している。 マルコ役:ミキ・マノイロヴィッチ、ペタル・ポパラ(クロ):ラザル・リストフスキーを配役している。
アンダーグラウンドの評価
アンダーグラウンドの感想
圧倒的な「20世紀最高の映画」
再上映を観にいった時「20世紀最高の映画」とポスターに書いてあった。「まさかなあ」と思ったら、実際観てみてぐうの音も出なかった。最初文学で言えばギュンター・グラスやガルシア・マルケスのような猥雑で突拍子もない展開に面食らうが、ストーリーが進むにつれ、メタフィクショナルな表現も交えつつ、だんだん話が深刻になっていく。クライマックスは引き裂かれたユーゴスラビアとその国民の慟哭の声が耳を覆うようだ。この作品はリアリズムもマジックリアリズムも超えている。後世の要求するドラマティックな史観を皮肉り、ほとんど歴史そのものを懐疑の中に放り込んでしまうが、歴史に翻弄された人々の痛々しい傷だけは疑いようのない真実だとこの映画を観て感じた。
壮大なユーゴスラビア史
かつてユーゴスラビアという国が地球上に存在しました。その国は血で血を洗う内戦によっていくつかの国に分かれ、ようやくこの頃、各国安定してきているように思います。この映画はその内戦の真っ只中に撮影された作品です。そこかしこに実際に存在した悲劇を、バルカンビートに乗せて軽快にコミカルに描きますが、それが面白いけど、どこか悲しげです。ハイテンションな登場人物に、どたばたとやかましい画面、一見悲劇とは思えない。悲劇をそのまま悲しく描き、お涙頂戴見え見えの映画にしなかった、悲劇の当事者でもある監督に心の底から賛辞を送りたくなる映画です。歴史に残る、本当に素晴らしい映画です。
アンダーグラウンドに関連するタグ
アンダーグラウンドを観た人はこんな映画も観ています
- 俳優
- アンソニー・クイン、他
- 俳優
- ジェームズ・クロムウェル、他
- 監督
- ミシェル・アザナヴィシウス、他
- 俳優
- ジャック・ニコルソン、他
- 俳優
- フェイ・ダナウェイ、他
- 俳優
- バーバラ・バック、他
- 前へ
- 次へ