モンスターのあらすじ・作品解説
本作が長編デビュー作である女性監督パティ・ジェンキンスによる、2003年に公開されたアメリカ映画。実在した女性連続殺人犯アイリーン・ウォーノスを実録に基づいて描き、ホワイト・トラッシュ問題を根底に敷く問題作である。 幼い頃から性的虐待を受け続け、父親は自殺、家を追われ生活のため売春婦となったアイリーンは、孤独な同性愛の女性セルビーと出会い、2人の穏やかな暮らしを夢見るようになる。が、暴力を振るった客を射殺してしまったため、車を奪い2人の逃避行が始まる。堅気に戻るための職探しも徒労に終わり、結局、客を取っては殺し金品を奪う生活に戻り、犯行を重ねていくが…。 主役のアイリーンを「ハンコック」「プロメテウス」のシャーリーズ・セロンが13Kg増量して熱演し、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)の主演女優賞など多くの賞を獲得。セルビーを「スリーピー・ホロウ」「ギャザリング」のクリスティーナ・リッチ、トーマスを「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」のブルース・ダーンが演じている。
モンスターの評価
モンスターの感想
悲しくて、つらい。
実際にあった事件を映画化した作品。主演の女優は役作りのために、ふとり、怠惰な生活をしたらしい。演技も高く評価され、アカデミー賞を受賞した。同性愛、虐待などのトラウマ、売春、共感できる女性もそこそこいると思う。私は、みていてすこし気分が悪くなった。現実では残酷な殺人鬼のようにいわれているが、映画では愛のための犯行のように、美しく描かれている。こういうふうに、うまく生きられず、そういう泥みたいな生活から抜け出せない人と抜け出せる人の違いは何なのだろう。信じ、つくして、幸せにしたいと思っても、最後は裏切られてしまう。とても悲しく、辛い映画だと思う。
考え始めると深みにはまる
美しいシャーリーズ・セロンが役作りのために体重を増やし、特殊メイクで別人のようになりながら、大量殺人鬼のアイリーン・ウォーノスになりきっています。シャーリーズ・セロンはただ美しいだけでなく、このような演技ができるんですよね、本当にすごいと思います。アカデミー賞取ったのも納得です。恋人セルビーを演じているのはクリスティーナ・リッチですが、こちらもまた普段の彼女の面影がかすかにわかるかなって感じです。モンスターは実際に起きた連続殺人事件を題材にしています。殺人犯を美化することはできないし、善悪とは何か?など考えていてはこの映画を評価できなくなってしまいます。私は、ラスト以外はこの映画はとてもよくできたラブストーリーだと思いました。
初めてが恐いのは殺人もキスも同じ 二度目は恐がらない
この映画の元になった連続殺人事件逮捕されたアイリーン・ウォーノス13キロ太ってシャーリーズ・セロンが役作り、実在のシリアル・キラー、アイリーン・ウォーノスを演じた。2003年アカデミー賞主演女優賞はシャーリーズ・セロン、この体当たりの変身がが評価された。アイリーンの恋人セルビーにはクリスティーナ・リッチ。ドキュメンタリーのアイリーン・ウォーノス見るとこの映画をもっと楽しめる。彼女の人生は普通に戻るチャンスはあったように見えるが、繰り返し犯罪のほうに走っていくのは、入力されたデーターで人間は行動を選択しているのだと認識させてくれる。シャーリーズセロンは南アフリカ出身で、母親はアル中の夫を殺害している。そんな実際の経験も加わりって居るのがエッセンスになっているのだろう。