魔法使い、貸します
多種多様な魔法
本作はレンタルマギカとタイトルにある様に魔法使いの派遣する会社を舞台にしていますが実際の物語は魔法を使って事件を解決していく私立探偵物の物語といった方がしっくりとくるのではないでしょうか。
もはやアニメ業界では定番といった魔法使いを題材にした作品ですが一括りに魔法といっても多種多様な種類があると思います。
例えば単純な魔法バトル物から魔法を使っての事件を解決したり困っている人を助ける物、空を飛んだりして冒険したり、動物や怪物を召喚したりといった事も所謂「魔法」の括りに出来、どんな種類の魔法を登場させるかによって大体のストーリーが決まってしまうと思いますが本作では「魔法」にそういった括りはなく、様々な魔法が登場します。
身体に不思議な不思議な力を宿すタイプだったり日本古来の呪術だったり西洋魔法だったり、しもべを召喚することだったり、錬金術など、幅広く登場します。アニメだけでは登場しきれなかった魔法も原作小説には登場しますので魔法についての興味がある方は小説を熟読されることをお勧めします。
魔法とは誰でも子供の頃に憧れるものだと思います。例えば空を飛んだり手を使わずに物を動かしたりなんかは一度はやってみたい事だと思いますが実際には魔法とは空想上の物でしかない為、本作の様に小説や漫画、アニメといった媒体を利用して作者や私たちの魔法への憧れを形にしたものだからこそ共感が持て、興味を持って楽しむことが出来るのだと思います。
原作小説からのアニメ化作品
本作も原作小説からのアニメ化作品になります。
導入にもある『人が思うより少しだけ世界には魔法が多く、人が思うより少しだけ世界には神秘が多い』とある様に自分が知らないだけで実は魔法とは存在するといった物語の世界を現実に引っ張ってきているようなキャッチフレーズはとても好感が持てて個人的にはとても好きです。
そういった「在りそうで無いもの、無さそうで在るもの」といった表現は人を惹きつける不思議な魅力に満ち溢れているのがまた良い点では無いかと思います。
アニメ化作品全体に言えることだと思うのですがアニメ化されるにあたってどうしてもカットされる部分があったり、省略されてしまう部分があり、作品としての魅力が減ってしまうのが少し勿体無く思います。特に本作のような未知の現象についてテーマにした作品にはどうしても解説や予備知識が必要になって来ますがそういったシーンも事細かに挿入してしまえばアニメのテンポが悪くなるじかといって全く説明が無いと初見の方が何が何だか解らない状態になってしまい楽しめない事態になってしまうので難しいところですがそういったところを上手く表現するのがアニメ製作についての最大の課題になって来ているのでは無いかと思います。
そういった点では本作はアニメと原作を切り離してみればどちらも十分に楽しめる作品となっているので原作を読んだことの無い方にも楽しむことができ、興味をもっていただけたら小説や他メディアへと手を伸ばしやすくなっていて馴染みやすい作品であると思います。
メディアミックス展開
本作の原点は小説からであり、アニメ作品へと展開された作品ですが有名な声優さんの起用により、キャラクターソングを収録されたCDやキャスト達のラジオ番組やドラマディスクを収録したディスクなども販売されています。最近でこそ業界では知らない人はいないくらいの有名声優さんがメインキャラクター達の担当をしている為、とても豪華な仕様となっているので声優さんのファンでこちらからアニメや原作に興味を持ち、レンタルマギカの世界に浸かったかたも多いのでは無いでしょうか。
他にも漫画化作品などもあり、原作小説とアニメと比較し、細かい設定の差異を見つけたりするのも本作の楽しみ方のひとつでもあると思います。
アニメ製作について
本作のOPやEDからj.c.STAFFの作品かな?と思った方は多いと思います。勢いのあるOPとゆったりとした曲調のEDで物語の始まりと終わりを表現した感じがそうであるように思わせているのがわかります。製作会社のZEXCS(ゼクシズ)はJ.C.STAFFの元プロデューサーの方が立ち上げた会社であり、なんとなくその世界観やデザインなどの共通点が見られ、面影を感じることができます。
アニメ会社にはそれぞれの製作方法や独特の表現方法で個性を表現し、視聴者に対して、印象付けることをしているところが多く、アニメファンであれば大体は1シリーズの視聴、さらには1話だけの視聴でも製作会社が分かる仕様になっており、その作風からアニメを好きになり、原作や他メディアの作品へと手を伸ばすといった方法で業界全体へと貢献していると思います。
現在のところオリジナルのアニメを製作している会社は少ないですがオリジナルアニメを製作している、出来る会社はどこも独自の作風をもっており、それが視聴者に受け入れられ、さらにより良い作品を製作する環境作りの足場となっていると思います。経営の観点からは発展し辛い業界ではありますが日本の誇るアニメ産業の今後の発展を期待したいと思います。
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