原作小説への予習代わりに
原作小説のアニメ化
こちら緋弾のアリアは原作小説からのアニメ化された作品ですがアニメから原作小説の存在を知った方も多いかと思われます。
私自身、アニメ視聴をきっかけに原作小説を読むこととなり、この緋弾のアリアの世界への興味を深めました。
こちらアニメでは原作の3巻までの描写しかありませんがアニメを視聴することにより、4巻以降の原作を読む際にキャラクターのイメージや世界観が想像しやすく、自身の頭の中でまるでアニメを見ている様な感覚になることが出来ます。
最近のアニメでは美少女を中心としたいわゆる萌えアニメと言われるジャンルの作品と誤解されやすいのですが原作小説では主人公のキンジが中心となって描かれており、キンジの成長や葛藤などが事細かに表現されており、その強さに憧れ、その弱さに共感するといった自己投影しやすいキャラクターであり、自身を物語へ入り込ませるのが容易い作品であると思われます。
ただ、アニメのイメージと原作小説とのイメージは若干違うところがありますのでそこは自身でうまく補填していただきたいと思います。アニメ製作は脚本の面からやはり原作とは少しずれた作品となってしまいがちな面もありますが本作品でも例にもれず同じ道をたどってしまった様です。
その中で魅力的で個性的な美少女キャラクターとの関係も描かれており、物語の良いアクセントとしてアクションとラブコメのバランスが取れていると思います。
個人的にはもっとメインヒロインであるアリア含め、サブヒロインである、理子や白雪、レキやジャンヌといった良いキャラクター達がいるのにアニメ1シリーズで終わらせてしまうのは勿体無いとも思いました。
アニメを視聴したが原作小説にはまだ触れていないという方には是非とも一度原作小説を手に取ってみることをお勧めします。そんな私も勧められて最新巻がでるのを今か今かと待っているほどのファンになりました。
各種メディアミックス展開について
原作小説から始まり、アニメ化、各種グッズの販売を経てパチンコやパチスロといったメディアミックス展開された作品としては成功した部類になるのではないかと思います。
最近ではサイドエピソードとして緋弾のアリアAAが小説化とアニメ化されましたが個人的には本編の続編としてアニメ2期の製作を期待しています。手広く展開するのは良いとは思いますが原作のファンとしては少し期待はずれといったところでした。
ただ、パチンコ、パチンコに関しては原作ファンとして少し触ってみたのですが酷い完成度でした。
原作を無視したキャラクター同士の関係性やストーリー、アニメでは登場がなかったパチンコ、パチスロが初登場のキャラクター達は原作とは全然違ったキャラクターで製作陣は原作についての知識がないことが露呈してしまっていました。これには原作ファンとしては期待はずれどころか憤りすら感じてしまいました。
ただ、声優のファンとしてはオリジナルのキャラクターソングが挿入されているのでそちら目的では楽しめるのではないでしょうか。
下敷きやメタルポートレート、クリアファイルやポスターなどは新規書き下ろしの品もあり、原作のイラストを手掛けているこぶいち先生の手掛けたグッズもあり、探してみる価値はあると思います。
スマートフォンアプリの展開もありましたがあまり知られることもなく終わってしまった感があります、スマホアプリの流行にのって製作してみたが...といった具合で失敗してしまった例だと思います。手を出すならしっかりと作り込んで欲しかったと残念です。
アニメ製作背景について
アニメ製作はTBSからで個人的にはこちらはOP.EDが丁寧に作られていて好感触でした。他にもBlu-ray&DVDパッケージの特典としてキャラクターソングCDや原作小説のサイドエピソード等が封入されているのも良かったです。
他作品のパッケージになりますがラジオCD等が封入された作品もあり、特典だけでも原作ファンとしては購入を考えさせられる作品となっております。
アニメキャストは人気声優さんが多数抜擢されており、各キャラクターのイメージとぴったりな演技で個人的には大満足でした。
どのアニメにも言えることだとは思いますがやはり作画にもう少し人手を使っても良いのではないかと思います。アニメ業界的にはアニメを放送するだけでは利益に繋がらず、パッケージされた作品が売れてはじめて製作費が回収できるといった環境の悪さがアニメの質を落としてしまっているのだと思います。最近ではインターネットなどで無料で視聴出来てしまったりすることもあり、今後のアニメ製作については改善が見込めないのではとの不安もあります。
せっかくの日本が誇るアニメ産業なのですからもっと業界が盛り上がってより良い作品が製作出来る環境を整えることが重要なのでは、と思います。
もっとアニメ化されるべき原作はたくさんあるがアニメ製作出来る環境がないといった理由から良い作品が埋もれてしまうのは少し寂しくもあります。
今後の業界に期待したいと思います。
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