藤崎竜先生は天才かと思う
中国の小説を、藤崎竜先生の独特な世界観で見事に少年漫画として馴染みやすく表現した作品だと思います。
他にもよく漫画になっている三国志などは、とにかく絵が濃くかわいげのないおじさんが出てきて、漢字がおおくて、とっつきにくく、まともに読んだことはありません。
友人に紹介されて読んだこれは、少し個性は強いけれど、少年漫画のバトルファンタジーっぽく、大きな敵がいて、その敵を倒すべく主人公が仲間を見つけたり、成長したりしていく物語。それでいて独創的な衣装を着ていて、完全にオリジナルの話かと思えるくらい絵やキャラクターがしっかりアレンジされていると思います。
主人公の太公望は、少年漫画の王道主人公タイプとは違い、ずるがしこく、汚く、だらしない部分もあり、それが逆に親近感を感じました。
また、長編漫画にしては、話がまとまっていてブレることなくきちんとまとまっていたので、読み終えたときにとてもスッキリした気分になれます。これも人気王道漫画のような無理な引き延ばしや、打ち切りなどがなく書きあがっているからだと思います。
前半に感じる突っ込み所も、後半に進むにつれて、あぁ、こういうことだったのか。と辻褄が徐々にあっていく面白味があり、最後まで読む価値のある漫画、というか最後まで読んでこそ価値のある漫画だと思います。
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