ジャンプ誌に残る名作
これは私が小学生時に初めて自分のお小遣いで全巻揃えた思い出深い漫画です。
まずはじめに簡単な粗筋としましては、場面は中国において時代が殷から周に変わる頃、主人公である太公望を軸に、人間と仙人が入り乱れ、時代を正しき方向へと導いていく物語です。
当時最も驚き、またこの本を買うきっかけになったのは、1話目で主人公の太公望が敵に負けたことです。
確かに相手は仙人界最強の申公豹ではありましたが、まさか主人公が1話で負けるとは思わず、私がこれまで読んだ本の中でも後にも先にも、こんな始まりはこれだけでした。
大概の少年誌の主人公は1話目では中堅の敵を倒すものと言うのが通説の中、これは違うな!と思ったのを今でも鮮明に思い出せます。
そんな封神演義ですが、幼少の頃はただただ読んでいただけでしたが、大人になって改めて読むと違う発見もありました。
まず、この漫画は一から十まできちんと考えて作られていることです。
昨今の漫画は漫画の気分なのか編集者のアドバイスなのか、最初の軸からズレていくことが多々あるとよく感じます。
日常ものがバトル漫画になったりするアレです。
しかし、封神演義にはそのブレがないように感じます。
ラスボスも当初から決まっていたようですし、一貫して物語の軸はしっかりしていました。
だからこそ、きちんと最後まで連載をし続け最終回を迎えることが出来たのではと思います。
ジャンプ誌の競争率は激しく、新連載しては打ち切りが相次ぐ中、私は封神演義を、ジャンプで円満に終わりを迎えた数少ない漫画の1つだと思います。
それ故、私はこの作品をジャンプ誌に残る名作だと勝手ながら自負しております。
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