意志あるマシン≪リュー≫を駆る、騎士の少年の冒険。
幼い頃から大人になった現在まで、もっとも心に残る作品といっても過言ではありません。大好きな物語です。
心通う、生きたロボット≪リュー≫。
遥か昔、他の星から侵略してきた邪竜族。人々はリューに乗り、長き戦いを経て災厄を退ける。
物語は、亡き師から受け継いだ騎士のリュー≪リューナイト≫に乗る少年、アデューの旅から始まる。
大好きだったシーンは、各キャラクターのリューの召喚シーン。普段はトランプほどのカード・ミストロッドに入っているリューが、各乗り手の呼び声に応えて姿を現す演出は、当時でも最先端クオリティーだったのでは、と思います。
一番大好きなキャラクターは、エルフ族のカッツェという少女(といってもエルフ族なので、実年齢はかなりいっている)。つり目に眼鏡、バリバリ関西弁の武器商人。お金様が大好きで、リューの召喚シーンもそろばんからミストロッドが(笑)
登場した頃から中盤あたりまでは、パーティー内のほとんどのメンバーが世界平和のために一生懸命戦っているにも関わらず、隙あらば逃走。隙あらば金儲け。しかし、中盤からは実の兄も加わり真面目に戦いに参加させられるようになっていきました。
最初、自分の身を危険に晒してまでなぜ人々のために戦わなくてはいけないのか?と、カッツェは兄ヒッテルに反発。しかし、リューの進化のために必要な精霊石を手に入れるために邪竜族と戦っている最中、孤児の子供たちの身に危険が及んだときに身を呈して守ったカッツェ。困った人は全力で助けに行くお人好しパーティーと行動を共にするうちに、知らず知らずのうちに本来の優しさと熱いハートに目覚めるカッツェ。
物語の終盤。兄がたった一人で敵の大要塞に乗り込み内部から破壊すると仲間に提案したのを立ち聞きしていたカッツェは、兄が死ぬ気だと悟る。
兄はカッツェを置いていくつもりでリューに乗り込むが、先回りしたカッツェが無理やり乗り込み言い争う。「兄ちゃんが死に急がんように、わても一緒に行く!」の言葉に、ふたりで要塞に向かう。が、邪竜族の幹部との戦いで、瀕死のダメージのリュー。
「俺の命をくれてやる。だから最後に一発...このアースティアを守るために...最後の一撃を」血まみれで照準の定まらない銃を、同じように大ケガをしたカッツェが支える。
「わての命もくれたる、せやから最後の一発、ぶちかましたって!!」
ふたりの命と引き換えに放たれた一撃が、要塞の台座を破壊する。
...物語はこのあと、大ピンチを迎えて衝撃のラストへと駆け抜けます。
お金と自分の命第一で、他のリュー使いから白い目で見られていた(笑)カッツェ。兄との再会、とにかく熱血正義感のアデューと仲間たちの優しさに触れていつの間にか、命をかけて大切なものを守るリュー使いへと変わっていく姿が、子供心にも感銘を受けました。
ちなみに最後の場面では、これからどうする?という兄の問いに
「決まってるやん、お金ぎょうさん稼いだる。ほんで、邪竜族で親をなくした子供たちの住む家を、作ったるんや」と笑顔で答えるカッツェが、本当に可愛いです。
他にも魅力的なキャラクターはたくさんいます!ストーリーもシリアスあり、ギャグあり、お色気あり。大人が見ても、なかなか楽しめる作品です。ぜひ!
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