読む時期によっていろんな捉え方ができる青春漫画
この漫画を初めて知ったのは高校生のときでした。「とにかく笑いが止まらないほど面白い漫画がある!」と友人に借りたことがきっかけで1~2巻を読み、芸術大学という舞台と濃すぎるキャラクター設定に嵌って、自分でも買うようになりました。当時はとにかく面白いギャグ漫画として楽しんでいました。
大学生になったころには、少し捉え方が変わってきました。自分が登場人物と同じような立場・年頃になり、同じように恋をするようになったからです。この漫画はしばしば「登場人物全員が片思い」とあらわされますが、自分のうまくいかない恋愛を被らせ共感するようになりました。おそらく、多くの同年代の女子が「あゆ」の叶わない恋に涙したのではないでしょうか。
そして大学を卒業する頃から社会人になる頃に読み返すと、うまく進まない就職活動、将来への漠然とした不安がつのり、同じく卒業を控えて苦しみもがく「竹本」に大いに共感することになりました。
やがて社会人になって落ち着いてから読み返すと、「そうそう、こんなこともあったね・・・」と、なつかしく振り返ることができるようになるのです。自分も「ハチクロ」と一緒に成長してきたんだなぁと思うことができ、リアルタイムで読めたことにとても感謝している漫画です。
少し残念なことは、物語が進むにつれてちょっと絵の感じが少女漫画寄りになったかな?ということです。だんだん登場人物の外見が幼く描かれてきたような・・・。1~2巻までの雰囲気がちょっと老成した大学生みたいで好きでした。「あゆ」の服装も、当初はかっこいい女子大生!って感じで憧れたものです。
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