ハチミツとクローバーの感想一覧
漫画「ハチミツとクローバー」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
人生のバイブル漫画
私自身ハチミツとクローバーは定期的に読む漫画です。全員が片思いの切ない漫画なはずなのに読んでいると心がぽかぽかしてくる心がほっこりする心のサプリメントのような漫画です。ハチミツとクローバーは恋愛だけでなく美大生という専門的な道に進んでる話なのに将来のこと、大人になること、家族のこと、友達のことを悩んで躓く姿と必死に答えを出そうとするキャラクターたちを見ていると自分も頑張ろうと思ったり、私もこんな気持ちになるときあるわ〜と共感する部分が多いストーリーになっています。こんなに切ない要素がたくさんあるのにギャグ要素もあり絵柄もほんわかしているのでギスギスした雰囲気はまったくありません。 恋愛を題材にしてるのに一切ギスギスした気持ちにならないずっとキュンキュンできる素敵な雰囲気です。よくある少女漫画ではみんながみんな片思いの物語はストーリーが進むにつれて誰かが傷ついたり、もどかしい気持ちになるこ...この感想を読む
読む時期によっていろんな捉え方ができる青春漫画
この漫画を初めて知ったのは高校生のときでした。「とにかく笑いが止まらないほど面白い漫画がある!」と友人に借りたことがきっかけで1~2巻を読み、芸術大学という舞台と濃すぎるキャラクター設定に嵌って、自分でも買うようになりました。当時はとにかく面白いギャグ漫画として楽しんでいました。大学生になったころには、少し捉え方が変わってきました。自分が登場人物と同じような立場・年頃になり、同じように恋をするようになったからです。この漫画はしばしば「登場人物全員が片思い」とあらわされますが、自分のうまくいかない恋愛を被らせ共感するようになりました。おそらく、多くの同年代の女子が「あゆ」の叶わない恋に涙したのではないでしょうか。そして大学を卒業する頃から社会人になる頃に読み返すと、うまく進まない就職活動、将来への漠然とした不安がつのり、同じく卒業を控えて苦しみもがく「竹本」に大いに共感することになりまし...この感想を読む
狂った恋の物語
タイトルやイラストの雰囲気からして、よくある青春ストーリーなのだろうと思いきや、この作品、すごくドロドロしていて、読んでいるととても苦しくなります。おもしろいけれど、読むのがすごく辛くなります。読んでいる途中で思わず本を閉じてしまったり、なかなか読み進められない部分もありました。すごく透明で綺麗なように思えて、実はドロドロでぐちゃぐちゃ。これは単なる恋愛漫画では片付けられないような素晴らしい作品だと思います。好き嫌いが別れるとは思いますが。それぞれのキャラクターの心情や選択、向かって行く先、たくさん見所があります。みんなが誰かに片思いをしている、もどかしくて甘酸っぱくてドロドロしていて大好きな作品です。
人が恋におちる瞬間
現在「3月のライオン」をヤングアニマルにて掲載中、羽海野チカの出世作。美術大学を舞台に、若者の恋愛や悩みながらも成長していく姿を描いている。1巻では、男だけの(風呂なし)下宿で先輩たちと同居してコロッケなどを山盛りにして食べている主人公竹本が、花本はぐみと出会い、ひとめぼれしたところから始まる。「人が恋におちる瞬間をはじめてみてしまった」春の一コマが切り取られている。美大の先輩である森田も、このとき恋におちていたのだが、お互いに鈍いので気付いておらず、竹本は森田がはぐみにミュールをプレゼントしたときに感じた胸の痛みを「腹の空きすぎ!?」と勘違いしており、ほほえましい。