ギャグパートとのメリハリが秀逸。
東村アキコはエッセイ漫画を描かせるとやはりピカイチ。
これまでライトなノリで、時にの勢い任せの部分を感じることもあったが、
自身の職業の根幹にかかわるテーマを扱っているだけあり、胸に響く描写が多い。
漫画やイラストに関わらず、音楽でもなんでも、アート全般を趣味や職業にする人間には特に重く響く。
先生との関係を描いた描写は読んでいても胸がギュッとなるような部分もあるが、
そこは作者得意のライトな描写を交えることで、すいすいと読まされてしまう。
読ませる力は半端ない漫画家だといつも感じる。
業界でも速筆で有名な作者だが、この作品ももちろんペンの勢いを十分感じたが、
やはりあまり練らずに一気に書き上げていることを本編で触れていて納得。
決して丁寧な書き方ではないのだが、確かなデッサン力とイメージ力を感じる絵柄のため、
勢いがザツさにつながっておらず、不快ではない。
この漫画では笑いと伝えるべきテーマの描写のメリハリが非常に心地よく、ギャグが不快ではないし、しかもギャグパートは
しっかり笑わせてくれるのだから、もの凄い読み応えだった。
個人的に、この漫画を描き終えた後からか、
多少重たいテーマや真面目なテーマの描写が
丁寧になった気がする。
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