ギャグパートとのメリハリが秀逸。 - かくかくしかじかの感想

理解が深まる漫画レビューサイト

漫画レビュー数 3,135件

かくかくしかじか

4.174.17
画力
3.33
ストーリー
4.17
キャラクター
3.33
設定
4.33
演出
4.17
感想数
3
読んだ人
5

ギャグパートとのメリハリが秀逸。

4.54.5
画力
3.5
ストーリー
4.5
キャラクター
3.0
設定
5.0
演出
4.0

東村アキコはエッセイ漫画を描かせるとやはりピカイチ。
これまでライトなノリで、時にの勢い任せの部分を感じることもあったが、
自身の職業の根幹にかかわるテーマを扱っているだけあり、胸に響く描写が多い。
漫画やイラストに関わらず、音楽でもなんでも、アート全般を趣味や職業にする人間には特に重く響く。

先生との関係を描いた描写は読んでいても胸がギュッとなるような部分もあるが、
そこは作者得意のライトな描写を交えることで、すいすいと読まされてしまう。
読ませる力は半端ない漫画家だといつも感じる。

業界でも速筆で有名な作者だが、この作品ももちろんペンの勢いを十分感じたが、
やはりあまり練らずに一気に書き上げていることを本編で触れていて納得。
決して丁寧な書き方ではないのだが、確かなデッサン力とイメージ力を感じる絵柄のため、
勢いがザツさにつながっておらず、不快ではない。

この漫画では笑いと伝えるべきテーマの描写のメリハリが非常に心地よく、ギャグが不快ではないし、しかもギャグパートは
しっかり笑わせてくれるのだから、もの凄い読み応えだった。

個人的に、この漫画を描き終えた後からか、
多少重たいテーマや真面目なテーマの描写が 丁寧になった気がする。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

一人の女性漫画家の人生が赤裸々に

脚色あるにしても面白すぎる人生人の人生って…こんなにおもしろかっただろうか。そう思わずにはいられない魅力がこの本にはあります。マンガ家としていろいろな作品を手掛けている東村アキコ先生のお話なわけですが、こんな感じで育ったんだー…と思いました。自分は完全に絵の天才だから漫画家になれるの当たり前みたいに考えられる理由なき自信…よくあるなー。昔だからあったんじゃないかなとも思うんですよね。現代っ子って情報をたくさん収集するのがうまいですから、とにかくリアルな現状を考えて、夢と現実の間でうまいこと妥協点を取ろうとしていることが多いです。でもこの主人公ときたら…絶対モテない。どんだけ自分しか見えてないんだよ、ウケる。「現実は小説より奇なり」とよく言いますが、まさにこのことだと思いました。類は友を呼ぶというとおり、明子の友達である二見も相当な変わり者ですが、明子とまったく違っていたところは、意思が...この感想を読む

4.04.0
  • betrayerbetrayer
  • 100view
  • 3073文字
PICKUP

敬愛と、後悔が、滲んでくる

東村アキコの才能を再確認 東村アキコは、『海月姫』や『東京タラレバ娘』で人気を集める女性漫画家だ。軽妙な切り口と独特の着眼点で、独自の魅力を持つ漫画家である。実写映画・ドラマの題材になることも多く、おそらく『東京タラレバ娘』も近いうちに実写化するであろう。数多くの連載作を持ち、出版社からの信頼も厚いと筆者は推測する(作者の人脈の広さは、漫画のあとがきや本作『かくかくしかじか』など随所で推し測ることが出来る)。そんな人脈を持つ東村アキコならではの連載作が『かくかくしかじか』だ。世の中には多くの漫画家がいるが、自伝的漫画作品を刊行出来るのはよほど作者に信頼がないと出来ない。そういった意味でも、東村アキコがどれだけの才能を持ち、出版各社から期待を受けているかわかる。 無念録であり懺悔録。なによりも、深い後悔に胸を締め付けられる。この『かくかくしかじか』を新品で手に取った人、もしくは最初にネッ...この感想を読む

4.04.0
  • すらりすらり
  • 158view
  • 2181文字

関連するタグ

かくかくしかじかを読んだ人はこんな漫画も読んでいます

かくかくしかじかが好きな人におすすめの漫画

ページの先頭へ