まあ、普通の作品だと思います。ドラマにはならないかな
東野圭吾作品といえば、度々の映画化など読み手にとってある種まとまったイメージを残す作品が多いように思う。つまるところ作品の最初から最後まで「なんとなく」頭に残っているのである。日本橋を舞台にした麒麟の翼でも見られたように舞台が目に浮かぶのだ。しかし、この聖女の救済はどうであろう。読み終えたのちに何か残るものがあったか?と問われると私は途端に並行してしまう。浮気を知った妻が、毎日旦那を救済する。幾年も幾年も・・・一見異常な雰囲気を期待してしまう設定である。しかし、小説内に残されたものは割とありふれたものであったのではないであろうか?容疑者Xの献身や真夏の方程式のように心に残るなんとも言えない悲しさややり切れなさを期待していた身にとってはこの作品はあまりにありきたりであった。せめてもう一声妻の心の叫びに同情したくなるような、何か決して報われないような切なさをどうしても所望してしまう・・・ミステリーの核心たる謎解きも私には少々面白みに欠けて感じてしまい(決して理化学的にありえない・・・と言うことではなく)謎解きにももっと力の入った作品であって欲しかったと素直に思う。他の作品にあるようなものと違った楽しみ方を追求すればよかったのであろうか・・・
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