新世界より
この作品は、小説原作の作品で、主人公が14歳・26歳・36歳の時の頃のストーリーに分かれています。
いったん引き込まれると、最後まで先が読めず、一気に最後まで見たくなる作品です。
この世界では、人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身につけ、その他の動物たちから畏怖の存在として、敬われています。
しかし、その呪力もあまりに強すぎると、密かに殺されてしまうのです。
それは、17歳まではまだ人として扱われないためです。
17歳未満のものなら、殺されても文句は言えません。
ここには、ある恐ろしい事実が隠されています。
ネタバレしてしまうと、面白くないので、そこは見てのお楽しみです。
ちなみに、この作品を視聴した人の間では「ボノボる」という言葉が流行りました。
これは、ボノボという猿の性的触れ合いにより精神を安定させるという性質を設定に組みこんでいるためです。
なかなか面白い設定で、これは異性間だけでなく、同性間でも行われるものです。
この世界観では、悪鬼の殺戮やコロニー間での戦いなど血なまぐさい話もあり、そうした暴力的なことをボノボることで、衝動をおさえています。
そうした耽美な表現もこの作品の面白いところです。
そして、ラストまで作品を見ると、人間って・・・と思わせることがわかります。
そこで涙が出ました。
タイトルの「新世界より」は、戦争のない、ボノボのように穏やかな世界を、という願いが込められているように思います。
また、作品中には、アントニン・ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』の第2楽章を原曲とした歌曲「家路」がたまに流れるのですが、家、安堵感、素朴、故郷、物悲しさを感じる曲です。
あのラストを見た後は、平和な新世界になることを本当に望みます。
ちなみに、最初は画が安定せず、作画を重視する方は、匙を投げそうになるかも知れませんが、中盤以降は作画も安定し、ストーリーに集中するので、気にならなくなります。
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