天使のたまごのあらすじ・作品解説
「天使のたまご」は1985年に徳間書店より発売されたOVA作品。71分。監督・脚本は前年度「うる星やつら」劇場版オリジナル長編アニメの第2作、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」で脚光を浴び、のちに「機動警察パトレイバー」「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」などの代表作を生み出すことになる押井守。そして、そのキャラクターデザイン及び美術設定は今や世界的な画家・イラストレーターの天野喜孝。そんな独特の世界観を持つ二人が手を組み生み出した本作品はどこか哲学的で幻想的。そして、何より美しい。 機械仕掛けの太陽が沈み行く不思議な世界。たまごを抱えた少女が廃墟をさまよう。そして、少女は一人の青年と出会う。少女はたまごを大切にしていた。しかし、青年はそのたまごを… 2007年1月に徳間書店よりDVD版が、2013年8月にはBlu-ray版が発売されている。また、2004年には絶版となっていた天野喜孝・画の絵本「天使のたまご 少女季」が新装版として発行されている。
天使のたまごの評価
天使のたまごの感想
ホラー映画以上の恐怖!!
黒くて暗い映像そのものに、黒が多いことが特徴的な作品だと思います。また70分程のアニメ作品で、主要な登場人物が2名と少なく、名前も設定されていません。また、明確なストーリー性がなく、謎が謎を呼ぶアニメ作品で、多くの部分が観ている側に委ねられているように感じます。何も明確に打ち出されているものがなく、ただ漠然と恐怖という感情に襲われました。観た後に正直に思った感想は、70分という時間をかけて出題された1問の「なぞなぞ」のように思いました。それぞれ映像の中から、要素や項目を抽出して、どのように解釈して、どのようなメッセージ性を見出していくのか、ということなのではないでしょうか。ただ、作品全体が暗く、黒く、シュールな感じが漂っており、原作者には意図するものがあるのだろう、と感じます。そうでなくては、作品そのものの存在意義を見出せません。ただ、直感的に思ったのが、人間の心の奥底に存在する黒い部...この感想を読む