プリコグの人権無視が半端ない - マイノリティ・リポートの感想

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プリコグの人権無視が半端ない

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

これは傑作ですね!と言いたいですがどうでしょうか。 まず設定である「犯罪予防局」、それからプリコグの予測誤差である「少数派報告」これについてはいいと思います。 予測は絶対でなく、未来を変えることもできるという内容、過去にも散々取り扱われているテーマではありますが、一定のおもしろさがあるのでいいと思います。 まあ、突っ込みどころは多いのですが、1つめは作中でも述べられているように、逮捕された人たちはまだ犯罪を犯していないので、ただの冤罪だっていうこと。 2つめは、プリコグ3体とトム・クルーズだけで全米の犯罪を取り締まるの無理ありますよね。 秒単位で犯罪が起きているアメリカで、特にシステム稼働当初なんていったら、想像しただけでもおそろしいくらい大変だったことでしょう。 3つめは、「絶対に警察に捕まる」っていうのがわかっていたら本当に犯罪はなくなると思いますか? 健全なあなたはそう思うかもしれませんが、そもそも犯罪なんて「捕まることなんてどうでもいい」と思っているか(常習犯)、「捕まってもいいから復讐する」と思っている人(衝動的)が大半です。 逃亡したり、言い逃れをするのは、あわよくば逃げれたらいいなと思うからです。 4つめは、ヤク中とプリコグ誕生の話。生物学者だった私からすればわけのわからない話で、到底納得いく説明もありませんでした。 このシステムがやがてできるのでは?と期待している方がいましたら、やめたほうがいいです。 これだったら、全世界が機会に支配される時が来てしまうことをテーマにした『マトリックス』、『ターミネーター』、『アイロボット』、『AI』などのほうが真実味ある映画といえます。 まあ、スティーブン・スピルバーグ監督なので、ファンタジー映画ととらえるべきですかね。 ところで、最後にアガサは解放され安らかな日々を過ごせるようになったという描写がありますが、別にあの機械に繋がれていたから先に起こる殺人の予測ができたわけではないですよね。 特殊能力として身についている訳ですから、システムから解放されたところで、殺人の夢は見てしまいますので、永遠に死ぬまで苦しむことでしょう。

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