マイノリティ・リポートの感想一覧
映画「マイノリティ・リポート」についての感想が9件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
抗う術のない運命に翻弄されながらも、その運命に立ち向かう自由意志を未来人の姿に託して描いた近未来SFアクション大作 「マイノリティ・リポート」
この「マイノリティ・リポート」は、フィリップ・D・ディックの同名の短編小説を、スティーヴン・スピルバーグ監督がトム・クルーズ主演で映画化した"近未来SFアクション大作"です。2054年のワシントンDC。犯罪予防局の主任ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、アガサ(サマンサ・モートン)ら三人のプリコグ(予知能力者)が得る未来映像で、殺人事件の犯人を事前に逮捕するシステムの推進に精力を注いでいた。だが、ある日、自分が36時間以内に見知らぬ男を射殺すると告げられ、愕然とする。そして、司法省のウィットワー(コリン・ファレル)らに追われる中、自らの潔白を証明するべく、その謎に立ち向かっていくのだった-------。このような身に覚えのない罪で、主人公が追われるというプロットは、アルフレッド・ヒッチコック監督が得意としていたスリラーの手法を踏襲するものであり、スピルバーグ監督自身、「北北西に進路を取れ」や「知りすぎていた...この感想を読む
プリコグの人権無視が半端ない
これは傑作ですね!と言いたいですがどうでしょうか。まず設定である「犯罪予防局」、それからプリコグの予測誤差である「少数派報告」これについてはいいと思います。予測は絶対でなく、未来を変えることもできるという内容、過去にも散々取り扱われているテーマではありますが、一定のおもしろさがあるのでいいと思います。まあ、突っ込みどころは多いのですが、1つめは作中でも述べられているように、逮捕された人たちはまだ犯罪を犯していないので、ただの冤罪だっていうこと。2つめは、プリコグ3体とトム・クルーズだけで全米の犯罪を取り締まるの無理ありますよね。秒単位で犯罪が起きているアメリカで、特にシステム稼働当初なんていったら、想像しただけでもおそろしいくらい大変だったことでしょう。3つめは、「絶対に警察に捕まる」っていうのがわかっていたら本当に犯罪はなくなると思いますか?健全なあなたはそう思うかもしれませんが、そ...この感想を読む
サイコ
言わずと知れた、「未知との遭遇」はじめ多くのSFの名作映画を世に残している、ハリウッド映画界の巨匠であるスティーブン・スピルバーグ監督が創る近未来の犯罪予知と陰謀を描いたSFサスペンス映画です。原作は「トータルリコール」「ブレードランナー」などのSFの名作を残しているフィリップ・K・ディックです。フィリップ・K・ディックの作品らしい、エッジの効いた人間描写と社会描写から導き出される近未来の少し不可思議な未来をうまく描いていると思います。犯罪を無くしたいという人類の願いと、この世界に絶対は存在しないという背反のアンチテーゼをスピルバーグがわかりやすいエンターテイメントに仕上げています。
次々と息つく暇もない展開が面白い!
設定がすごく面白くて、ありそうで中々ないストーリーに引き込まれました。 最後は、結構大どんでん返しというか、「え~っ!」って感じになります。 やはり、一番怖いのは人間かって思いました。 ハラハラドキドキのアクションだけではなく、ミステリーサスペンス的な謎を解明していくところが、次はどうなるんだろう、誰が犯人?と考えさせられ、飽きずに最後まで怒涛の展開です。 人間て特殊な能力にあこがれますが、プリコグのようになるのは嫌だなあ、可哀想だなって思いました。みんな同じ人間なのに、死ぬまで利用されるなんて悲しいです。 でも、ジョンが見せてくれます! 最後の最後まで、大丈夫なの?!殺されちゃうんじゃないの?って心配していましたが・・・・ ぜひ、ノンストップで楽しめるので、観てみてください。 あの、蜘蛛みたいなロボットが目をこじ開けるときだけは、本当怖かった~!!!
犯罪を防止しようとしたら自分が犯罪者に
SF作品です。未来では犯罪が起きる前に、特殊な能力で未来を予知できる「プリコン」と呼ばれる人たちを使って相手を逮捕するという手法をとっていました。トム・クルーズ演じる主人公が、予知される犯人が自分自身であったことから窮地に立たされます。捕まる前に逃亡を測りつつ、真相の解明を図ろうとします。そこには過去の息子の誘拐などに絡む出来事が準備されていますが、最後にそれすらも実は周到に用意されたトリックであったことが判明します。スピルバーグということで彼の作風を想像しましたが、これは能天気な子供向きではなく、かなりストーリーもミステリ仕立てでこっていると思います。映像も未来技術を先取りしていてしょぼくはありませんし、全体的に良作です。
カッコイイ未来像を描いている作品☆
SF映画としてこの映画を初めて見た時の衝撃はすごかったです。映像や画像を自在に拡大縮小する操作が、かっこいいー!!!と思って観ていました。内容としては小難しい感じがしましたし、ストーリーがめっちゃ面白いかと言うと、あまりそういう印象はありませんでした。ただ、そこで描画されているSF技術が自分の中でとってもかっこいいと思っていて、今でも印象に残っている映画です。その操作・インタフェースが今ではスマートフォンで当たり前のようになってきていて、映画は単に架空の想像を描いているだけでなく、現実可能な未来を描いているんだなと思いました。技術系の仕事とか研究をされている人は、こういう映画も積極的に観て行くと、なにかヒントがあるんじゃないでしょうか。
未来のシステム
予知能力者3名の力をシステム化することで、犯罪を事前に予知することで、未然に犯罪者(予定の人間)を逮捕するという、犯罪予防局という未来のシステムが中心となります。トム・クルーズ演じるジョンはこの犯罪予防局の一員ですが、ジョンが男を殺すと予知されます。この予知能力もつねに一致する訳では無く、時に食い違う少数意見(マイノリティ・リポート)ます。ジョンはこのマイノリティ・リポートを求め、未来の世界を駆け抜けます。通行人全てを識別できる網膜スキャンや、空間に各種ウィンドウを表示させ、手で操作するパソコンのようなもの。ストーリーだけでなく、未来のシステムを感じさせてくれる映画です。
数式どうりにはいかないと証明できるかな 未来のスタイル
2002年作成の映画で、舞台は近未来のアメリカ。殺人事件を起こす前に捕まえてしまうシステムが確立している。ゆえに殺人事件は起こらないという論法。この素晴らしいシステムは「プレコグ」と呼ばれる三人の予知能力者の夢に委ねられている。マイノリティリポートは少数派の意見である、殺人者だと決め付けられるのは三人の過半数、ゆえに二人が同じ夢見ると、それが意見として通るという。ものすごく民主主義的な決定だが、ベースが予知能力人間が居るという設定。これが神様で無いだけ、ありがたいのかも。物凄くハイテクな未来が、人間の根本である思考や感覚にもとづいている。主人公が無くなった子供の映像を毎晩繰り返し見て、飲んだくれて寝てしまう。どんなに科学的でも情が人を動かすのだと、泣けた作品だ。
精巧な近未来SF
2054年という設定がまず凄いな!と思う。舞台は近未来というわけだ。未来が見える予知能力者が三人いて、その三人によって、犯罪は事前に阻止される。つまり、犯罪の起きる未来が見えるので、その犯罪者が罪を犯す前に逮捕してしまう、という仕組み。トム・クルーズの演じる主人公が、殺人を犯すとされて逮捕されそうになり……というお話。単純に、サスペンスとして本当に面白い。先の読めない展開にハラハラドキドキしっぱなし。そしていろんなことを考えさせられる。でも一番好きな、一番印象に残っているシーンは、最後の最後で、彼女が普通の生活に戻って、普通の暮らしをしている様子がちらっと描かれているところ。何度見ても良かったなぁ良かったなぁ、と思ってしまうのだ。